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添乗員ブログ

2011年05月31日

とっておきの話「コンクの夜。」・・・谷 薫

〔本稿は会員誌『旅なかま』2011年6月号に掲載されたものです〕
心癒されるフランスの旅へ。私の大好きな山里コンクは、これからの季節がぜひお薦め!そのわけは…

村を歩いて
コンクは、山間の中をバスで走っていくと突然出てくる村です。周りには何もありません。
もともとはサンティアゴ・ディ・コンポステーラにつながるフランスの4つの巡礼路(トゥール、ヴェズレー、ル・ピュイ、アルルの道)の一つル・ピュイからの途中にある村で、9世紀前後に村ができたようです。そして、聖フォアの遺骸を持ってくることで9世紀後半~14世紀まで巡礼地として、栄えました。村は、とても小さく、端から端まで歩いても10分くらいです。

コンクの村

14世紀以降、様々な出来事によって、村は崩壊し、発展から取り残された為、中世の街並みがそのまま残っており、特に細い路地に入ると中世にタイムスリップしたかのようです。コンクの村は、上から見下ろしても、下から見上げても実に絵になるのです。
村には、今でも使われている巡礼者たちの宿泊所と、ミニスーパーが1軒、パン屋が1軒、レストランとお土産屋が数軒あるだけです。胡桃が名産なのですが、胡桃を売っているお店の人がフランス語しかできなくて、それでもなんとか一生懸命に話そうとしてくれる姿がとても愛らしいのです。

聖フォア聖堂
聖フォア聖堂
村の中心に聖フォア聖堂という教会があります。巡礼者たちは、中世、そして、今も厳しい巡礼路を歩いて、この教会にやってきます。その入り口のテインパヌム(扉の上の半円形)がとても印象的で、人々は、これを見て、信仰心を更に強くするのです。テインパヌムは、最後の審判を表していて、キリストをはじめとし、たくさんの人々が彫られています。天使がこの世の終わりを告げ、キリストがこの世に再臨する。墓の下に眠っている魂が呼び起こされ、天国行きか地獄行きの天秤にかけられる。天国には聖母マリアや聖ペトロが待っていて、地獄では、火あぶり、逆さづり、舌や眼を抜かれるなどの罰が待っている。聖書のお話なのに天国側に聖フォア、シャルルマーニュ大帝やコンクの修道院長など実在していた人物も一緒に彫られており、人間味を感じます。
聖堂附属の博物館にもう1つ教会の宝があります。聖フォアの聖遺物箱…小さい坐像ですが、金箔で覆われ、めのうやエメラルドなどたくさんの宝石が埋められています。人々は、聖フォアにいろいろな願いを込め、そして、奇跡のお礼の気持ちを込めて、自分の宝物をこの坐像に埋め込んだそうです。
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「コンクの夜」の秘密
そして、これからの季節は「コンクの夜」を楽しむために、最低でもぜひ一泊(できれば、聖堂横の聖フォアHOTEL…こんな田舎にあるホテルなのに本格的なフランス料理が味わえます)していただきたい。なぜなら、4月~10月の聖フォア祭りまでの間、 夜、この聖堂内のライトアップがあるからなのです。通常、柱頭彫刻は高いところにあるため、昼間は遠目でしか見ることができないのですが、夜は聖堂内の2階にある廊下も歩くことができ、柱頭彫刻を間近で見ることができます。そして、BGMは、修道士さんの奏でるパイプオルガン・・・もう、しびれますよ!
夜、コンクの村は、静まり返り、誰も歩いていません。心が洗われるようです。 泊まった人だけが特別な時間を過ごせる、コンクの夜です。

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〈※写真は全て 谷薫 の撮影したものです〉

この記事の投稿者 谷薫