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2011年07月20日

2011年7月20日 世界一の 新ゴッタルド基底トンネル


 スイスアルプスのゴッタルト山塊の中を初めて列車が走ったのは1882年で、15キロメーターのトンネルは当時、世界最長でした。歴史は繰り返し、2010年10月15日、57キロメーターの世界最長鉄道トンネルか貫通しました。日本の青函トンネル ( 53.85キロメートル ) を抜いて世界最長のトンネルとなったのです。

 新ゴッタルド基底トンネルは、アルプス山中の基底部を通過して、スイスの南北を結ぶ新しい鉄道路線の最重要部分となるトンネルです。標高550メートル以下の地点に敷設された起伏の少ないルートを通過するため、チューリヒ・ミラノ間の走行時間は1時間半も短縮されます。スイスの国民は、このトンネル建設計画の構想と支出を1990年代に承認。トンネルの開通は工事が全て完成する2017年になる予定です。


 これまでに掘削された岩の量は推計2400万トンと、エジプトのギザにあるクフ王のピラミッドの約5倍の容積に相当します。またトンネルの合計総工費は97.4億フラン ( 約8330億 円 ) になります。しかしトンネルの建設は常に順風満帆だったわけではありませんでした。アルプス山中にはさまざまな地質が存在し、それがトンネルの建設工事に問題を起こしていました。砂糖の粒のような白雲石から成る崩れやすいピオラ地層のせいで、トンネルの建設計画全体が停止に追い込まれたこともありましたが、技術者が地中のさらに深い地点に強固な地層を発見し、工事が再開されました。またセドルンの北にある砕けやすい岩は、高度な掘削技術を使用することによって解決されていきました。


 アルプスの環境に配慮して鉄道専用のトンネルとなります。自動車、トラック、バスなどは「カートレイン」というシステムで列車が運びます。ミラノ、チューリヒ間は1時間間隔で運行されヨーロッパ鉄道網に大いに組み込まれて行きます。EUに不参加、通貨も違うスイスがヨーロッパの孤児とならないための生きの残りを掛けた鉄道網参加です。

近藤 高史

投稿:朝日インタラクティブ