出発地を選択してください。出発地はいつでも変更できます。
出発地を選択してください。
×
MENU

機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2011年02月07日

【スタッフひろば】 今月の『対決』 フランスの村 vs スペインの村

今月の対決
〔本稿は会員誌『旅なかま』2011年2月号に掲載されたものです〕

海外旅行部 大島 哲也  野口 静子 今回の「対決」では、ファンの多いフランスの村、そしてお隣の国ですが異なる雰囲気をもつスペインの村をとりあげてみました。
 かなりの「フランス好き」「スペイン好き」の対決となってしまったので、普段なかなか聞くことのないマニアックな村の名前もたくさん。「聞いたことがない」という村にも、ご興味を持っていただければと思います。「全部行ったことがある」というお客様は、相当の「村」通です!

大島:まず、お互いそれぞれ好きな村ベスト3をあげてみませんか? 私はスペインの本当に素朴な村が好きで、修道院を中心に佇むサント・ドミンゴ・デ・シロス、素朴で可愛らしいサンティジャーナ・デル・マル、カタルーニャの山間部にありお城みたいなパラドールのあるカルドナですかね。スペインの村というと、アンダルシアの白い村がイメージかもしれませんけれど、私は茶褐色の村に特に心惹かれるんですね。
野口:渋い! 本当に「茶色〜」ですね。私の好きなフランスの村はたくさんあって迷いますけど、ベスト3は、いずれも「フランスの最も美しい村協会」に認定されているのですがヴィクトワール山を望めるトゥルトゥール、同じくプロヴァンスのバルジェーム、映画『三銃士』のロケもおこなわれた中世の村ペルージュあたりかしら。
大島:えっ、それも充分渋いかと・・・
地図 バルジェーム
[図左:今回の対談で登場するフランスとスペインの村々] [写真右:バルジェーム、写真提供=ウィキメディア・コモンズ]
野口:しかも茶色いかな(笑)。でも、スペインの村と違って緑が多いから、四季のコントラストがありますよね。村全体がベージュっぽいサン・シルク・ラ・ポピにしても赤っぽいコロンジュ・ラ・ルージュにしても、基本色の他にもう少し緑もあるのかな。窓辺に花々を飾ったりね。 スペインだと、とにかく茶色い石、石、石〜って感じで乾いた地味なイメージ。フランスだとおとなしい色でも、スペインの村より統一感があって、色彩も豊かな感じがするのですけど。
大島:スペインは、村全体で、同じ石材や色を使ってきれいに統一してまとめるというよりも、ちょっと崩れかけたり素朴なところが魅力なんですよね。生活感があるというか。
野口:生活感があればまだいいんですけど、以前北スペインに行った時、廃墟みたいな村をたくさん通りました。人が住んでいるのかしら? 家が落っこちてくるんじゃないかってくらい・・・。そういえばスペインて、「おばけがでる」って言われるホテル多いですよね! 村にもそういう雰囲気がある。
大島:幽霊伝説ね、ありますね〜! あんまり言うとお客さんが怖がっちゃうからここでは話さないけど、興味がある方はそういうのも楽しいかも。私も好きなんですけど。パラドールとか、本当に昔のままだから。中世から何か住んでても不思議はない…。
野口:フランスの村も中世のままを残しているのに、そこまでおどろおどろしい感じはしないのはどうしてだろう。やっぱりスペインは・・・レコンキスタとか血みどろな歴史のイメージだからかしら。
大島:確かに色々な意味でスリリングな国ですけどね(笑)。話を元に戻しますけど、まあそういう崩れそうな、時にはおばけもでそうな村でどうやって生活しているんだろう・・・って想像を掻き立てられるところが私は好きです。 それと、フランスはそうやって外から見てすごくきれいかもしれないけれど、スペインはパティオ(中庭)文化というのがあるので、外からみると殺風景だけど、小路に入ったり中庭に入ると「あっ!」と驚くようなしかけがしてあることがありますよね。美しいタイル貼りの壁があったり噴水があったり。コルドバでは「パティオ祭」といって中庭の美しさを競うコンテストがあり、その時は普段入れないような一般の家の中庭も見ることができるんです。
野口普段入れないところに特別に入れるっていう体験はいいですよね。それで思い出したんですけど、毎年コンク村に泊まるコースがすごく人気があって今年ももちろんお薦めしたいんです。泊まった人ならではの特権で、夜のサント・フォア教会に入れるんですよ。案内の人が懐中電灯をもって、昼間は入ることのできない、階段をのぼったところにある回廊へ。上の部分の柱頭彫刻は、昼間は下から見上げるだけなので遠くてよくわからないのですが、夜に行くと間近に、しかも照らされてとてもはっきりと浮かび上がるんです。夕陽に照らされたタンパンも感動的に美しいですし、本当に小さな村なんですけど宿泊する価値がありますね。スペインでも、そういうところがありますか?
大島:スペインは小さな村だと、鍵番がどこに行ったかわからなかったりするので(笑)。でも、村ではないですけどレオンのパラドールの隣に修道院があって、宿泊客の人は頼めば鍵をあけてもらえる場合があります。以前二階の礼拝堂のところだけ見せてもらうことができました・・・と、どうしても昨年たくさん歩いた北スペインの話ばかりになってきてしまうのですが、南の話も少ししてもいいですか?
野口:そうですね、フランスも南の方にいい村がたくさんありますから受けてたちますよ〜。

カルドナ セブレイロ
[写真左:カルドナのパラドール 写真提供=ウィキメディア・コモンズ] [写真右:セブレイロ 写真提供=スペイン政府観光局]

大島:スペインに初めて行かれる方は、たぶんアンダルシアの方を見に行かれると思うんです。特徴的なのは「白い村」と呼ばれる、ロンダやミハスのような、漆喰を塗った村々。丘の上とか山の斜面とか、敵に攻め込まれないような高いところにたっているので、遠くから見ると白い集落がとてもきれいですよね。下から眺めてもきれいだし、村の中に入っても白い迷路のよう。もちろんパティオに飾られた花々や、イスラムの影響を受けた細かい装飾や透かし彫りがみられます。こういう村はフランスにはないですよね。
野口:「白」はないけど「赤」はどうかしら?「フランスの最も美しい村協会」が認定した第一号というのがコロンジュ・ラ・ルージュ。その名のとおり町中がばら色の砂岩でつくられているんです。歩いていると気分までバラ色に♪ ここもまわりが緑に囲まれているので、赤い集落がひときわ引き立つんです。それから、プロヴァンスやコートダジュールにも、丘の上や斜面につくられた集落があって「鷲ノ巣村」と呼ばれます。エズサンポール・ド・ヴァンスゴルドなど、数え切れないほど。 そして外観だけでなくその村が魅力的なのは、多くの芸術家に愛されてサロンや画廊ができたり、5ツ星のホテルやミシュラン星付きレストランがあったりして、すごく活気があって美しいんですよね。たぶん斜面の集落というのは、廃村みたいなものだったと思うんですよ。それをそこまで活用するというのは、フランスは本当にうまいですよね。
大島:芸術家の集う村・・・スペインにもあればよかったのに、なぜかミロもダリもフランスに行ってしまったね(笑)。スペインはとにかく国が荒れましたからね。内戦もあったり、落ち着いたのは本当に近年になってからで。
野口フランスは村おこしが本当にうまい。何度も話にでてきましたが「最も美しい村協会」というのをつくったのはフランスが最初なんです。スペインは小さい村はどんどん小さく、経済的にもつらくなって、観光地化して頑張ろうというのがあまりないんじゃないですか?
大島:まあでも頑張らなくても、おもしろいからいいんじゃないんですか。アンダルシアの村の商店街とか、アラブのスークみたいにごちゃごちゃしてて、やっぱりモロッコやらアラブが近いんだなって思いますよね。そうかと思うと北の巡礼路のセブレイロ村なんかに行くと、ケルトの文化が入っていて、藁葺きの丸屋根の、他ではみたことないような可愛い集落がある。北も南も異文化と混ざり合ってすごく個性的でエキゾチックな村がたくさんある。それがスペインの村の魅力なんですよ。
野口:フランスは、スペインに比べると異教徒に破壊されたり侵略されたりというのがなかったですからね。フランスにもアフリカ人はたくさん住んでいるのに、アラブ色がすごく薄くてやっぱりフランス。スペインと同じように対岸はアフリカなのにね。
大島フランスとスペインとは同じラテンだけど気質も違うし、人間性も全然違うから、村やまちづくりの意識も全然違うんですよ。そういう違いも楽しみながら、旅していただけるといいですね。

この他にも、グルメの話、オーベルジュやパラドールの話・・・魅力の尽きないフランスとスペインの話が続きました。今年はどちらを訪れようか、ぜひご検討なさってください!

【出席者】

野口静子 大島哲也左:野口静子 長らくフランスの企画・販売にたずさわる。ワインを飲みながらフランスへ思いを馳せる毎日/編
右:大島哲也いつも爽やかな人気添乗員。「ヤコブ年」だった昨年は、何度もサンチャゴ巡礼路を歩いた。/編

☆☆☆☆☆関連ツアー
フランスに出逢う旅 (「フランスに出会う旅」で絞込み検索をどうぞ)
その他 フランス
その他 スペイン(「スペイン」で絞込み検索をどうぞ)

投稿:朝日インタラクティブ