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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2013年12月17日

アムステルダムのコンサートホールとオーケストラ

〔本稿は会員誌『旅なかま』2013年12月号に掲載されたものです〕
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アムステルダムのコンサートホールとオーケストラ 《コンセルトヘボウとロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団》 東京支店テーマ旅行企画開発チーム 水谷 史

2013、14年は、ヨーロッパから、世界のオーケストラの双璧といわれるベルリン・フィルとウィーン・フィルをはじめとして、世界レベルのオーケストラが相次いで来日する、まさに”当たり年”になっています。すでにそのコンサートを楽しまれた方、これから楽しみにしていらっしゃる方、沢山いらっしゃると思います。

コンセルトヘボウ外観

今回は、この11月に来日した、オランダの首都アムステルダムに本拠を置く《ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団》の活動の拠点であるコンサートホールと、オーケストラについてご紹介しましょう。
かつて海運大国として、世界を制覇する隆盛を誇ったオランダ王国では、優れた芸術、文化が華開き、育まれました。絵画をはじめとする珠玉の美術のコレクションの多くが、現代では美術館に収められ、オランダを訪れる世界中の人々を楽しませてくれます。
さて、その首都アムステルダムのコンサートホールはコンセルトヘボウと称されますが、これはオランダ語で「コンサートホール」を意味します。
落成は1888年。大ホールの席数は2037。ウィーン楽友協会ホールと同じ『靴箱型』といわれる戦前からの姿をそのままに伝える形で、音響の優れたホールとして知られています。
ちょっと専門的な話になりますが、コンサートホールの音響を計る示準のひとつに”残響”があります。コンセルトヘボウは観客なしで残響2.8秒、現在日本にある主なコンサートホールが1.5〜2.1秒といわれています。オーケストラのような大編成の演奏には残響の長いホールのほうが適しているといわれます。
“音”は美術品のように形は残りませんが、音を生み出し、伝統を引き継いでいる演奏家と楽器があります。それを集成するのがオーケストラであり、”形”にするのが指揮者、そして披露するのがコンサートホールというところでしょうか。音の響きを文字で伝えることはとても難しいものですが、このホールでロイヤル・コンセルトヘボウのコンサートを、そして、その音を聴いてみたいと考えているオーケストラ・ファンも数多くいらっしゃるようです。

コンセルトヘボウ内観

1888年の《アムステルダム・コンセルトヘボウ》としての創立直後から、このコンサートホールを本拠として活動してきているのが、現在の《ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団》です。
創立直後から、その高水準の演奏はヨーロッパ音楽界の注目を集めていたようです。2014年に生誕150年を迎える大作曲家リヒャルト・シュトラウスは、創立からわずか10年の時期に、この若いオーケストラを自ら指揮して「実に素晴らしい。若い活力と熱意に満ち溢れている」と評しました。後に、彼の代表的な作品、交響詩『英雄の生涯』を、このオーケストラに献呈しています。
ロイヤル・コンセルトヘボウは、創立以来、今年で125年を迎えますが、この間、オーケストラの全てを掌る”首席”に就任した指揮者はわずかに6人です。例えば1882年創立のベルリン・フィルは10人(常任、終身指揮者を含みます)、1842年創立のウィーン・フィルは10人(指揮者選定のシステムが変わる1933年まで)です。この点が、このオーケストラの大きな特徴といえるでしょう。
コンサルトヘボウの場合は、一番短い初代で7年、一番長く、オーケストラの発展に最も功績のあったとされる二代目で、実に50年在籍しました。その良し悪しは別として、ときどきの首席指揮者が、手塩をかけて育ててきたオーケストラであることは間違いありません。
この間には、先ほどのR・シュトラウスを始め、マーラーやドビュッシー、ラフマニノフといったその時代の代表的な作曲家が、指揮やソリストして登壇、音楽的に密接な関係を築き、また、多くの”巨匠”と呼ばれる指揮者を始め、世界的に活躍する多くの指揮者が客演して、オーケストラの基盤を広げる役割を担ってきました。
創立100周年を迎えた1988年、時のベアトリクス女王から「ロイヤル(王立)」の称号を下賜され、現在の名称に代わりました。

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

このオーケストラの紡ぎだす音楽は、「ベルベットのような弦の音色、”黄金”の金管、類い稀な音を生み出す木管」と評されます。120名の優れた演奏家の紡ぎだす、高い技術に裏打ちされた重厚で艶やかな個性は、世界中のオーケストラ・ファンを魅了してやみません。また、ブルックナーやマーラーといったドイツ系の作品の演奏には特に定評があり、世界のオーケストラの双璧と評されるベルリン・フィルとウィーン・フィルより良い演奏をすると評する向きもあります。
世界的な権威をもつといわれるイギリスの音楽雑誌『グラムフォン』誌の世界のオーケストラ・ランキングでは、2008年には第1位を獲得し、日本のクラシック音楽ファンにおなじみの『レコード芸術』誌でも、常にベルリン・フィル、ウィーン・フィルに続く上位に評されていることは、実力と人気を併せもつオーケストラであることを実証しています。

精力的な活動と熱き指導で知られ、現代最高の指揮者のひとりとして認められる、現在の首席指揮者、マリス・ヤンソンス。首席指揮者として就任から10年目を迎え、ますます成熟の度合いを高める《ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団》とのコンビは、素晴らしい音楽を生み出し、それは必聴の価値を持つことは間違いないでしょう。

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏会終了直後、観客総立ちのオベーション(喝采)
《音楽の旅》ヨーロッパ早春の名門オーケストラ演奏会鑑賞の旅

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投稿:朝日インタラクティブ