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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2013年10月30日

旅するもの書き江藤詩文の世界食べある記vol.6 inミャンマー

〔本稿は会員誌『旅なかま』2013年11月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま11月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

旅するもの書き江藤詩文の世界食べある記vol.6 inミャンマー

「さぁ、どうぞ」。控えめな微笑みをたたえた女性が、ほっそりとした両手で差し出したのは、持ち重りのする直径20センチくらいの中鉢。中心が丸く、それをぐるりと取り囲む外側は4、5か所に分かれています。素朴ながら存在感は抜群。
おぬし、また出たか。ミャンマー料理のレストランで、路上の喫茶店で、ホテルで。それどころか普通のおうちにおじゃましても、まず出てくるのがこれ。真ん中に入っている深緑色は、発酵させて漬けもののように酸っぱくなったお茶の葉。日本ではお湯で淹れて飲む緑茶の茶葉は、ミャンマーではシチュエーションを問わず、いつでもどこでも食べられている食べものなのです。

ティータイム版「ラペットゥ」

ミステリアスな茶葉料理

これは「ラペットゥ」というミャンマーの定番料理。お茶の葉の漬けものに、ピーナッツやひよこ豆、白ごまなどを和えるとティータイムのお茶うけになるし、干しエビや唐辛子を混ぜるとごはんのお供に、トマトやキャベツなどと合わせて食べごたえのある一品になることもあります。
日本でも抹茶は料理やスイーツによく使われるし、台湾料理など茶葉をそのまま食べる料理にもなじみがあります。だけどこの茶葉の味は、かなり新鮮で刺激的。発酵からくる古漬けみたいな酸っぱさを基本に、塩のしょっぱさと唐辛子のピリ辛風味が混ざり合い、茶葉の苦味が主張していて、とらえどころがありません。
中国とインドの影響を受けているといわれるミャンマーでは、カレーに近いような煮込み料理もよく食べます。肉や魚を玉ねぎやトマトとともに煮込み、ニンニクやショウガ、唐辛子とターメリックで味を調えるのですが、ミャンマーらしい調理法が、水だけでなく油をたっぷり加えて煮ること。煮詰まったカレーは水気が少なく、てらてらした油のなかに肉が浮いているよう。こってりした煮込みの箸休めにも、お茶の葉はもってこいというわけです。

全体的に味つけはしっかりめ ホテルの朝食にも上品な「モヒンガー」が

ナマズ出汁の名物ヌードル

辛かったりしょっぱかったり、味の濃いおかずを少しと白いごはんをたくさん食べるのが、一般的な食事のしかた。ごはんが主役の食卓は、なじみがあってほっとします。
朝ごはんには麺料理もよく登場します。代表的なメニューは「モヒンガー」。そうめんみたいに細い米粉の麺を、スープに入れた汁麺です。ナマズでとった出汁に、豆の粉や米の粉、ゆで玉子を砕いたもの、ゆでたバナナの茎などを入れた茶色いスープは、どろりと重たく濁っています。これに魚のすり身を揚げたものや、野菜の天ぷらなどをのせることも。
落ちそうで落ちない金色の岩”ゴールデン・ロック”で知られる「チャイティーヨー・パゴダ」を訪れると、地元の人たちがモヒンガーを寄進していました。勧められるままお相伴に預かります。世界最貧国のひとつとされているのに、ミャンマーで出会った人たちは、いろいろなものを気前よく分かち合ってくれました。村を散策していたら、子どものおやつを用意していたお母さんが、私の分まで作ってくれたことも。男性も女性も「ロンジー」という伝統的な巻きスカートをまとって優雅に動き、女性は「タナカ」という木の皮をすりおろした粉で、顔を白く染めています。
民政移管から2年。ミャンマーは外国人旅行者の誘致に積極的に取り組んでいます。けれども人々の人なつこい笑顔はきっと変わらない。そう思うのは旅行者の勝手な感傷でしょうか。

小麦粉を水でのばして揚げ焼きしたおやつ
プロフィール 江藤詩文

撮影:江藤詩文

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投稿:朝日インタラクティブ