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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2016年03月14日

旅なかま3月号 山に行って元気になろう!

〔本稿は会員誌『旅なかま』2016年3月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま3月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

山に行って元気になろう!岩崎元郎氏スペシャルインタビュー。これから本格シーズンを迎える山。今年は8月11日に新たな祝日となる「山の日」も制定されることになり、例年にも増して「山」への関心が高まっています。長らく日本の中高年の山歩きを牽引されてきた岩崎元郎さんに、山についての思いを、朝日旅行東京支店 大和大輔が伺いました。
Profile 岩崎 元郎 いわさき もとお 1945年(昭和20年)東京大井町に生まれる。1963年「昭和山岳会」入会、70年蒼山会同人設立。81年ネパール・ヒマラヤ・ニルギリ南峰登山隊に隊長として参加。同年、無名山塾を設立し、登山者育成のための登山学校活動開始。また中高年登山者の安全登山の啓蒙に努める。95年~99年NHK教育テレビで「中高年のための登山学」で講師を務める。「ぼくの新日本百名山」(朝日文庫)「日本登山体系」(白水社)など編著書多数。無名山塾主宰、日本登山インストラクターズ協会理事長。最新刊「今そこにある山の危険」(ヤマケイ新書)刊行。
きっかけはキャラバンシューズ?

大和(以下 や):初めて、山に興味をお持ちになられたのは?

岩崎(以下 い):僕は昭和20年の生まれなんですが、昭和31年、日本隊がマナスルに初登頂したんです。当時、井上靖さんの「氷壁」が朝日新聞に連載されたこともあって、空前の登山ブームになりました。当時はボーイスカウトも盛んで、高校1年の時、初めて河口湖にキャンプに行き、その時、三ツ峠駅で登山者に出会ったんです。彼らが鮮やかなブルーのキャラバンシューズを履いていて、それが恰好よくてね(笑)。

:キャラバンシューズですか?

:当時、カトマンズからマナスルのベースキャンプまでかなりの日数かけて行ったんですよ。長い日数登山靴を履いていたら、足が壊れますよね。それで開発されたのがキャラバンシューズなんです。それが登山入門者に大ブレークしましてね。

:そうだったんですか。

:当時僕はバスケットシューズだったので、あんな靴を履いて登山をしてみたいと思ったんです。それが始まりです。

「昭和山岳会」で本格スタート

:高校に山岳部はありましたが、どうせ始めるならと思って、自分で「ワンダーフォーゲル部」を作りました。20~30人集まってくれて、「同好会」を作りました。本やガイドブックで勉強して、丹沢と奥多摩に行ったのが最初です。いろいろ調べているうちに、どうも「沢登り」をしないと登山界では大きな顔ができないらしい・・とわかりましてね、沢登りをし、毎月1回くらい山登りをしている間に、ビバークもし、日本アルプスに行き・・と、自然とハードルが上がっていった形です。

:同好会とはいえ、本格的です。

:まだまだ自己流でした。雑誌や本を読むと「山岳会」のことが書いてあるので、「大学生になったら、山岳会に入って本格的に登山をやろう」と胸をときめかせていましたよ。

:東京理科大に進学されました。

:大学にも山岳部はありましたが、いろいろ考えて「昭和山岳会」に入りました。それが本格的なスタートです。

:「昭和山岳会」の活動は、「ワンダーフォーゲル部」のそれとは、違いましたか?

:「ワンダーフォーゲル部」は、基本的に2本の足を交互に前に出せば到達できるレベルでした。自己流で、怪我をしなかったのは、ついていたとしか言いようがないですね。「昭和山岳会」に入って、初めて本格的にスタートしたんです。ボッカ訓練(注)、カモシカ山行(注)、富士山では雪上訓練、谷川岳では、ラッセル訓練(注)、岩登りや沢登りの訓練もしました。その合間に本番の山行です。もう、ついていくのに必死でしたね。夏山新人合宿は北アルプスでしたが、歩き始めて10分でバテてしまって、共同装備は取り上げられるし、僕が足を引っ張ってしまい、予定したところまで行けない日もありました。それが僕の登山人生の始まりです(笑)。

:今と様子が違いますか?

:岩とか雪とか沢とか登るのが登山で、日本百名山でも、歩いて登るのは「ハイキング」とみなされていました。ただ、当時は高度経済成長の時代で、サラリーマンは忙しくて、30歳過ぎて山をやっているという人はほとんどいない、そんな時代でした。でも、楽しかったですよ。

山に関する資料に囲まれてのインタビュー。飾らないお人柄と楽しいお話しは、講座や登山教室でもお馴染み。
中高年のための安心な登山を目指して

:先生は登山家でいらっしゃると同時に、テレビやカルチャーセンターでも講師をされています。ご自身でも同人会や登山教室を開設され、特に中高年の安心な登山への啓蒙活動でもご活躍ですが、それについてはいかがですか?

雪の上を歩く(イメージ)

:80年代になると、僕自身がいろいろな分野に手を拡げるようになりました。「岳人」という雑誌に記事を書いたりね。その頃でしたか、小倉薫子さんが朝日カルチャーセンターで「女性のための山歩き教室」の講師をされて、大ブレークしたんです。それがきっかけで、あちこちで「登山」とか「山歩き」の講座が開設されました。それで僕にも声がかかって「中高年のための登山教室」を始めました。NHKの「中高年のための登山学」はその後だったと思います。ちょうど「日本百名山」がブームになって、講座に来る初心者の方が「私も○○岳行きたい」とかおっしゃるようになったので、「じゃあご一緒しましょうか」ということで、結果的に中高年の方と一緒に、山歩きする機会が増えたんです。

:指導される上での先生のポリシーは何かありますか?

:押し付けないようにしています。「こうした方がいい」と、断定的な指導するリーダーもいらっしゃいますが、僕はあまりそういうことはしません。たとえばストックにしても、ダブルストックの方が脚筋力への負担が少ない。しかし、両手がふさがっているので「あっ」と思った時、木の根やクサリをつかむことができない。だから使うメリットとデメリット、両方をよく説明して、自分にフィットするものを選んでもらうようにしています。アドヴァイスはしますが、最終的には自分で決めればいいと思う。

なぜ山に登る?

:端的に伺います。なぜ苦しい思いをして登るんですか?

:新人の頃は山に向かう電車の中で、「これが終わったら、やめよう」と何度も思いました(笑)。でも一週間もすると、また行きたくなるんですよね。そこに山の醍醐味がある。これは生徒さんで禅宗の僧籍にある方から伺ったんですが、人間は、自我が働くと生命エネルギーが消耗する。無我、無意識の時に、生命エネルギーが補充されるのだそうです。だから、一番良い無我無意識は、健康な熟睡だけれど、今時そんなことは望めない(笑)。でも、歩いている時、苦しいけど、何も考えずにただひたすら歩いている時があるでしょう。そしてふっと我に返る時がある。その間に生命エネルギーが補充されているんじゃないかと思う。その証拠に1日歩いて足がパンパンでも、翌朝気持ちがみなぎっていることがありますよね。それは、エネルギーが補充されたんだと思います。それが実感できるというのは、素晴らしいことですよね。

左、登山靴((c)AST)。右、ヨーロッパを代表する名峰マッターホルン。湖面に映った逆さマッターホルンも美しい
とにかく海外へ。
そして、山へ行こう!

:これは僕の持論ですが、日本人ほど、国際性のない民族はいない。島国で、皆親戚だから、悪いことは言わない。政治も歴史もそうです。だから日本にいると本当のことはわからない。だからこそ、外から見ることが必要です。それから、中高年は、往々にして頭も脳細胞も凝り固まっているので、海外にいくことは、それを柔軟にする一番良い方法だと思います。何よりも海外に行ったことで、あらためて、日本の山の良さもわかります。たとえば、ヨーロッパアルプスには、ほとんど木がないですよね。でも、日本にはある。多種多様な植生が標高に応じてあります。日本にいると気が付きませんからね。とにかく海外へ行って、感じてほしい。

旅行会社にもとめられているもの
~安心して歩いていただけるようにすること~

:お客様によっては「行ってみたいけど、自信がない」という方もいらしゃいます。そのあたりはいかがですか?

:槍ヶ岳や大雪山を登るのには、登山だから技術もいるし、覚悟もいる。でも、覚悟ばっかりしていると疲れてしまいます。駅の階段を見て、歩いて昇ろうと思う方で、実際歩いて登る方だったら、普通のハイキングは大丈夫です。駅の階段も昇れないという人は、難しいかもしれませんが。それから、旅行会社には、きめ細かい対応が、益々必要になってくるでしょうね。たとえば、Aさんは歳はお若いけど少し足元があぶないとか、そういうところを添乗員やガイドはよく見て、その人に合った対応をする必要があります。僕も、グループに同行する時は、ゆっくり、ゆっくり歩きます。そういう配慮をしているということが、お客様にはわかります。やはりお客様というのは、ガイドなり添乗員が自分に注意を払ってくれているということがわかると安心します。安心して歩いていただけるようにするのが、旅行会社の大事な職務ではないでしょうか?

:最後にメッセージを

都内の事務所にお邪魔しました。(左:岩崎氏、右:大和)

:まず、頑張ろう、とか思わないことですよね。60歳過ぎたら頑張るっていう言葉は辞書から外した方がいいですよね。それからもうひとつは、自分が選ぶことです。私は、講演会で「人に後ろ指を指されるような人間になりなさい」とお話ししたことがあります。「友達に買い物に誘われているので、この日は山に行けない」とかよく聞きます。その人は、お友達にとっては「良い人」だろうけど、そればっかりだと後で後悔することになります。だから、「その日は山に行くので、買い物には行けません」と言うようにしたらいいと思う。決めるのはご本人だけど、自分で選んでこその人生ですから、是非、ご自分で選んでほしいと思います。その積み重ねです。海外へ行って、新しい世界を体験して、登らなくてもいいから、無我・無意識で歩いて、生命エネルギーを補充する。そして、元気になる。最高ですよね。

:本当にすばらしいですね。是非皆様も、生命エネルギーの補充をしていただきたいと思います。今日はありがとうございました。

聞き手:朝日旅行東京支店 大和大輔

(注)
【ボッカ(歩荷)訓練】重たいザックを担く練習。もともとは荷上げすること自体や荷上げする人を呼んだ。
【カモシカ山行】行動食、水、ライトなど最小限の装備だけを持ち、丸1日、夜も寝ないで長い距離を歩き続ける登山形式。
【ラッセル訓練】深い雪を踏みつけて、道を切り開きながら進む訓練。

「今そこにある山の危機」
~山の危機管理と安全登山のヒント~
今そこにある山の危機

増加の一途をたどる山岳遭難。日本の山登りはどうなってしまうのか。
長年登山指導に携わる著者が説く、自立した登山者として安全な山を楽しむための基礎知識。実体験から、安心、安全な登山の秘訣を語ります。

ヤマケイ新書(山と渓谷社)
定価 760円(+税別)

特に記載のないものは、画像提供:岩崎元郎

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投稿:朝日インタラクティブ