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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2012年07月04日

旅なかま7月号 対決! マリア・テレジア vs エカテリーナ2世 – ウィーン vs サンクトペテルブルク

〔本稿は会員誌『旅なかま』2012年7月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま7月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

ふたりの女帝と都市を歩く マリア・テレジア vs エカテリーナ2世

マリア・テレジアとエカテリーナ2世

荻野(以下「荻」):マリア・テレジアとエカテリーナ2世。どちらも18世紀の自国の政治・文化に多いに貢献した「女帝」ですが、一人の「女性」としての人生はだいぶ違いますね!

小椋(以下「小」):そうそう。マリア・テレジアは当時としては珍しく恋愛結婚をし、16人もの子供に恵まれて、度量の大きい旦那様のもとでのびのびと政治もして。亡くなった後も夫をずっと愛し続けた。
 対してエカテリーナは、無理やり結婚させられた夫(ピョートル3世)との愛をはぐくめず、クーデターで夫を失脚させ…

:まあ、夫はそうでしたけど、エカテリーナには毎日を満たしてくれる男性がたくさんいましたから(笑)単なる愛人ではなく、政治もプライベートも手を取り合って長く連れ添った男性ポチョムキンの存在は形だけの夫より絆が強かったかもしれない。
マリア・テレジアは未亡人のまま15年あまり過ごしたけど、素晴らしい知識や文化的刺激をもつ多くの男性にちやほやされたエカテリーナの晩年もなかなか!
 そもそも、マリア・テレジアは最初から恵まれすぎです。ヨーロッパの中心に、ハプスブルク家の皇女として生まれて、もう太陽みたいに輝かしい人生が約束されているわけでしょう。かたやエカテリーナは、ドイツの片田舎に生まれて、もともと沼地だった凍てつく大地にお嫁に行き、ヨーロッパに追いつけ、追い越せ、って必死になって頑張った。

:確かに出生は恵まれていたかもしれないけど、結局自分が王位を継承する時に戦争がおきたわけだから、そこからは努力の人生ですよ。現在のオーストリアの政治経済教育文化、どの源流をたどってもマリアテレジアにいきつく。いろんな基盤をつくったんです。芸術文化も愛でて、領土を守るという責任もちゃんと果たしながら、家族という癒しの空間を持っていた…う〜ん、完璧!

:でも功績が大きいわりには、マリア・テレジアを主役にした映画や小説ってあまり聞かないですよね?
雑草のようにたくましく、強く生き抜いたエカテリーナの人生の方が、ドラマティックで、きっとみんな惹かれるんですよ!
順風満帆なマリア・テレジアが太陽で、陰のあるエカテリーナが月だとしたら、「いとをかし」なのは月の方ではないかって。

:いくらドラマとしておもしろくても、実際自分が生きるとしたら、疲れて帰ってきたらやっぱり夫や子供に癒されたい!

:でも実は子育てには失敗したとも聞いてますよ。可愛がった子だけに恋愛結婚を許したり、不公平だったとか。長男のヨーゼフ2世も、マリア・テレジアの大嫌いだったプロイセンのフリードリヒ2世に傾倒して反発したしね。
末娘マリー・アントワネットに関してはご存知の通り…

:ちょっと政治と育児が混じっちゃった感はあるかもしれないね。でも、エカテリーナも息子パーヴェルとまったくうまくいかなかったとか?

:結局子育ては本当に難しいっていうことですね(笑)女帝といえども…

:では反面教師にしてお互い子育ても仕事もがんばりましょうね。でも女帝時代があったから、ウィーンもサンクトペテルブルクも美しいものが集まりましたよね。浪費で批判されはしたけど、日本もそうだけど、お金を使った人のおかげでいろんな文化が残りましたからね!

:華やかさは両方にありましたよね。
それで言ったら、壮大な浪費の産物はエルミタージュ美術館です。もともと居室として造られた建物からしてすばらしいけど、蒐集品も、エカテリーナの芸術への執着がなければエルミタージュもなかった。
ウィーンの美術史美術館は、マリア・テレジアの功績ではないものね?

:お向かいの自然史博物館は、マリア・テレジアの夫のコレクションですが!

:(苦笑)…ちょっと地味です…。エカテリーナの時代はフランスをお手本にして「衣食住」どれをとっても華やかでした。ビーフストロガノフ、ブリヌィ(クレープ)などはフランス風で優雅なロシア料理。寒いロシアではお料理が冷めないように一皿一皿、前菜→スープ→メイン、のように出していく習慣があったのですがこれもフランスに逆輸入されていわゆるコース料理になったんです。ボルシチ、ピロシキ、水餃子…ロシア料理は日本人の口にあいますね。
それから最近サンクトペテルブルクは寿司ブーム。ネタがすごく新鮮でおいしい!ウィーンでお寿司なんか食べられたものじゃないでしょう(笑)

ogino & ogura

:う〜ん、意外とロシア料理、強敵!でも、スイーツで言ったらどうですか?数え切れないほどの種類のケーキや、メランジュ、アインシュペンナーなどウィーンでしかいただけない個性的なコーヒー。そうそう、お薦めはなんといってもオレンジキュラソーの入った「マリア・テレジア」ですよ!柑橘類がふわっと香る、極上のコーヒー。これぞウィーンの味♪
 こういったカフェ文化はウィーンの真骨頂。ちょっと歩きつかれたらふらりと入れるカフェもたくさんで、街歩きも楽しいですよね!サンクトペテルブルクは、そういう気軽さがちょっと…
メニューを見ても、まずあのキリル文字であきらめ感(笑)

:最近は、外国人も気軽に入れるような英語表記のあるカフェもありますよ!せっかくなら「文学カフェ」に立ち寄ったりして、文学散歩をしてみてもいいかもしれないですね。サンクトペテルブルクはプーシキン、ゴーゴリ、トルストイ、ドストエフスキーなど多くの文豪のイマジネーションを刺激し、愛された街。そういえばウィーンが文豪に愛された話は、あまり聞きませんね。

:いたんでしょうけど…あまり。ロシアは寒いから読書するのかしら。悩みも多そうで哲学しちゃう?そうして深い作品がうまれるのかも!

:日本でも寒いところの文学多いですね、太宰治、宮沢賢治、石川啄木とか…
文学散歩は本当にお薦め。「罪と罰」のラスコーリニコフの家や、センナヤ広場…物語そのままに残っていて、ぞくぞくします。

ラスコーリニコフの家

:でも一人では行けなさそう(笑)

:そういう、「本当にここでいいの?」って自問自答しながら歩く、謎めいたところがサンクトペテルブルクの魅力でもあります!

:オーストリアだと、名所名所には国旗とプレートが目立つように掲げられています。そうそう、だから「文学散歩」はないけど、「音楽散歩」がお薦めなんです♪モーツァルトやベートヴェン、ハイドンやシューベルトゆかりの地など、歩いて巡るのもわかりやすいです。

:ロシアだって音楽すごいですよ。チャイコフスキー、プロコフィエフ、ラフマニノフ。リムスキー・コルサコフに、ボロディンに…

ウィーンの名所案内板

:ちょっと通向けかな(笑)。
やっぱり音楽が身近なのはウィーンですね。いつ行っても何かしら絶対観られるでしょう。オペラだけじゃなくて、コンサートにオペレッタ、ミュージカル…演目やスケジュールもきっちり決まっていて、わかりやすい!

:サンクトにもマリインスキー劇場をはじめとして劇場はたくさんあって、バレエ鑑賞もいいですよ。ただスケジュールが直前まで決まらないのが、玉に傷…
なんだかわかりやすさとわかりにくさの対決みたいになってきましたが…

公共交通機関も乗りやすいですしね。人も親切で街歩きに安心感がある。

:サンクトの人だって不親切なわけではないんです!早く帰りたいだけ…?ではなくて、まあ言葉の問題は実際まだありますね。地下鉄もちょっとわかりにくいし。だからこそ、まだまだツアーでご一緒しましょう!

:ウィーンも、一人で歩ける場所も多いのですが、「夏の都市を歩く」のコースでも入っているプラーターとか、行けそうで行くのが難しいような場所もまだまだあるんです。そういうところもご案内しつつ、マリア・テレジアのような「優しさの生きている街」ウィーンにお出かけしましょう!

:いえ、エカテリーナ2世のような「強さの生きている街」サンクトペテルブルクにお出かけしましょう!!

性格も趣味も違うふたりのスタッフの激論は終わらないのでした…とはいえ、「都市を歩く」シリーズを愛する情熱は同じです。ふたりの女帝が育んだふたつの帝都。どちらもじっくり歩いてみると、きっとそこここに女帝の愛と情熱を感じることができるはず…。

★★★★★関連ツアー
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投稿:朝日インタラクティブ