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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2016年10月25日

旅なかまvol.274 食を通して人生を楽しむイタリア

〔本稿は会員誌『旅なかま』2016年vol.274に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかまvol.274希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

イタリアンレストラン

小泉 日髙シェフは同世代の方が皆フレンチだったので、イタリアンを目指されたというお話を印象深く覚えていますが、最終的にドン・アルフォンソさんに修行に行くまでの経緯についてお話しを伺えますか。

日髙 40年前に調理師学校に通っていた頃、日本でイタリア料理のお店ってまだまだ少なかったんです。イタリア料理の認知度が、スパゲッティ、ピザ、という程度でした。それでもイタリア料理を希望したのは、いずれは自分のお店をやりたくて調理師学校に入った時の入学式で副学園長が、お店を始めるなら低資本で始められる中国料理かイタリア料理がいいと言ったからです。それで、イタリア料理に興味が出て、ちょっとかじってみようと神戸に4軒しかないイタリア料理店全部に電話をして3軒目のお店「ドンナ・ロイヤ」にアルバイトで採用されました。日独伊3国同盟で、日本はイタリアと同盟国だったじゃないですか。神戸港にイタリアの軍艦が停泊している時にイタリアが降参してしまい、その軍艦が帰れなくなってしまって、そこに乗っていた4人のコックさんが敗戦後も日本に残っていたわけです。そのうちの一人で、当時最年長だったのがドンナ・ロイヤさん(故人)で、そのお店にご縁があってアルバイトをしました。その後、東京に出て「リストランテ・ハナダ」で働くことになった時、そこにイタリア人がいて、話しを聞いたら、実は帰れなくなってしまった4人の内の一人のルイジさん(当時60歳)でした。彼から、日本に残った経緯や、当時一番若かった彼は、下っ端の調理人で基礎は十分ではなく、本を見ながら、おばあちゃんの味を思い出しながらやってきたことなど様々なお話しを聞かせてもらったわけです。その彼が後に私の渡伊への道を切り開いてくれるキーパーソンとなります。

毎日食べても飽きないイタリア料理の魅力

日髙 はじめに働いたお店「ドンナ・ロイヤ」では4ヶ月アルバイトをして、まかないを食べさせてもらいました。好きなパスタを選ぶと作ってくれ、事務所で食べ、また仕事をする。40種類くらいパスタメニューがありました。2ヶ月で大体一通り食べて、3ヶ月目くらいに「お前今日は何を食べたい?」と聞かれた時に「カルボナーラ」といつも答えてしまい、それから毎日カルボナーラを食べたんです。他のも食べようかなとも思ったんですけど、やはりカルボナーラにいきつき、最後の方は自分で作ったりしました。それだけ毎日食べても飽きない料理が「スパゲッティ・カルボナーラ」でした。こんなに毎日食べても飽きない料理があるんだと驚きでした。でも当時としては西洋料理を学ぶのはフランス料理という考え方だったので、就職したのはフランス料理店でした。神戸のポートピアホテルに、日本では東京以外で初めてフランスの3つ星のお店が入ってくると聞き、何とかして入りたいと思い、調理師学校の教務部長に紹介してもらい入りました。こうして希望通りの店で修行を2年ちょっとしました。でもなんかやっぱり自分に合うものはカルボナーラみたいな料理じゃないかなと思い、ポートピアホテルの料理長に相談しました。神戸を出たいと背中を押されたタイミングでもあり、東京のイタリアレストランを紹介してもらったのです。紹介されて入った「リストランテ・ハナダ」は「ドンナ・ロイヤ」でおばあちゃんの味を思い出しながら料理を作っていたルイジさんがシェフをつとめる店で日本の食材を使ったイタリア料理を作っていました。日本には今のようにイタリアの食材がなかったのですね。でも非日常的なフレンチより、毎日食べても飽きないカルボナーラのように手に入りやすい食材を使ったルイジさんのスタイルは自分の性格に合い、ここで修業すればするほど本場イタリアに行かなきゃならないと思い、マダムの花田さんに本場のイタリアで店を紹介してもらうという約束で、いろいろと仕事を頑張りました。

ドン・アルフォンソとの出会いアクアパッツァとの出会い

日髙 イタリアでは3つ星は1軒しかなく、2つ星は4軒しかなかった1986年当時。星付のレストランから帰ってくると箔がついている時代でした。3つ星レストランで修行出来たものの、何か不完全燃焼なんですよ。というのはその星付のレストランでは、傾向としてフランス料理みたいなものを作っている。せっかくイタリア料理を学びにきたのに。「ピンキオーリ」と「マルケージ」2軒のオーナーに、「私は日本人でイタリアの料理を学びにきました。何を学んで帰ったらいいですか?」と聞いたら、「地方に行きなさい」と言うんですね。そして、マルケージさんの紹介で「ダルペスカトーレ」という今では不動の3つ星レストランを紹介してもらいました。そこのオーナー夫婦のアントニオさんとナディアさんが、「だったらお前、この時期はトスカーナに行けよとか、スープが美味しい時期だから秋はピエモンテがいいぞ」とスケジュールを立ててくれ、「日本人がいるから預かってくれないか」と連絡し5軒も紹介してくれたのです。いろんな所に行っているうちに、地方料理が面白いと思い始めました。地方のいろんなものを見に行こうと思った時、ミラノ在住の食のジャーナリストから、南イタリアに「アクアパッツァ」という料理があるよと言われて写真を見せてもらったんですね。アクアパッツァって名前、言い換えれば“アホな水”という名前から魅かれて、こんな料理があるんだと思って食べに行きました。食べに行った先が、「ドン・アルフォンソ」でした。南イタリアに来たことがなかったし、「ここで、働かせてもらえますか?」と聞くと、日本人は初めてなのに厨房に何月から来いということで入れてくれました。そこで本当の地元の人が作るアクアパッツァを見せてもらい、それがすごくキレイで美味しく、まさしくイタリア料理っぽかった。そこでアクアパッツァを学び、とても印象に残った料理になりました。初めから計画性を持っていたわけではなく、その時々に感じたことから行きついた先がイタリアであり、そのきっかけの一つがカルボナーラであり、星付の店よりも、地方料理に魅力を感じ学びました。アクアパッツァという名前を聞き、料理を食べに行き感銘を受け、こういった料理を学んで帰ろうと思いシチリアまで足を延ばしました。

小泉 素敵な出会いですね。

日髙 そう。人との出会い、料理との出会い。自分にとって大切な財産であって、その財産の礎を作ってくれた一つが、「ドン・アルフォンソ」のアクアパッツァという料理です。イタリアでは、皆に自分の名前を憶えてもらうところから努力をし、名前を憶えてもらった上で、希望も聞いてもらえるようにもなりました。

東京・広尾の「アクアパッツァ」にて。
[右:日髙良実シェフ、左:添乗員・小泉緒理枝(こいずみおりえ)]

食を通して人生を楽しむイタリア

小泉 その頃、イタリアには日本人は少なかったと思いますが、日髙シェフがイタリア料理で進んでいく事を本気になってサポートしてくださったという事でしょうか。

日髙 「ピンキオーリ」と「マルケージ」には過去に日本人がいたんですけど「ダルペスカトーレ」では初めての日本人でしたし、名前を憶えてもらえないわけですね。ジャポネーゼ、ジャポネーゼって。フランス料理の修行をしていた時に料理長から海外でやるためにはまずは名前を憶えてもらうことが大切ということを聞いていたので、名前を憶えてもらうために仕事を一生懸命にやりました。日本でシェフをやり、また行きたいなと考えるのはシチリアでありカンパーニャです。北の方が長かったんですが、もう一度戻りたいと思うのは南イタリアですね。

小泉 南の方が郷土色が強く、保守的でしょうか。フレンチ的なものを取り入れるわけではなくて、昔からのものを大切にする。

日髙 取り入れているところもありましたけども、そもそも南では地中海料理「クッチーナ・メディティラーナ」と言っていて、彼らは、自分達の料理をイタリア料理とは言わない。北はもうヨーロッパの一部、EU。南の方はどちらかと言うと取り残されています。スペイン、ギリシャも然りですけど、ドイツ人とは違いますね。経済的には貧しくても、生きることに関しては価値観が違います。シエスタというのも以前はあって食事に帰って昼寝をする人生。やっぱり生きる流れ、空気感、時間帯が違いますね。それをまた感じたくて、南に行くと言ってしまうのかもしれません。

小泉 アクアパッツァという名前を私は日髙シェフのレストランの名前で初めて知りました。開業される時、日本人には馴染みのない名前でしたが、それでもこれぞイタリアと感銘を受けたお料理の名前だから、この名前に決められたのでしょうか?

日髙 私は最初「リストランテ山崎」のシェフとして帰ってきて、そこではリストランテ料理を提供していました。自分の中では、自分が持つ店ではおおらかなイタリア料理をやりたいという思いがあったので、自分のテーマに沿う、アクアパッツァみたいな料理を提供しようと思い、店名も「アクアパッツァ」とつけました。当時はイタリア人でさえも地中海の南イタリア料理に興味がなかったら知らなかった料理名です。当然日本人も知らない。意外にも注目を浴びたのがアメリカです。アメリカで成人病がすごく多くなった時に、地中海式ダイエットが注目されました。どういうものを食べるかと言うと、魚を食べ、野菜を食べ、赤身の肉を食べ、そしてオリーブオイルを取るというような。そういう食事だと成人病にはかからないと言われ、アクアパッツァがその中の代表的な料理として有名になりました。魚にオリーブオイルじゃないですか。

小泉 日本では日髙シェフが広められたイメージがあります。テレビでもご紹介されていました。今でこそ、旅行パンフレットにアクアパッツァをと書かれるくらい有名となりましたが、お店の名前にするのは勇気がいったのではないでしょうか。

日髙 訳すと「アホな水」ですからね(笑)

鮮やか野菜が並ぶメルカート(市場)

旬の食材をシンプルに使うのがイタリアン

小泉 シェフは田舎巡りをして、郷土料理というものをすごく大切に、その土地の旬の食材を大切にされていますね。日本では鮎の季節には鮎の料理がイタリアンに変身して提供されたり、様々な日本の食材もたくさん使って季節に合った土地のものを取り入れて、すごく楽しいです。最近出版された「乾物でイタリアン」とかも面白いですね。日本の乾物をイタリアンに使うとは思っていなかったので驚きました。

日髙 イタリアを北から南までくまなく巡り、ご当地で取れる旬のものをシンプルに使うのが良いイタリア料理だと感じたので、日本に帰ったら日本の食材を使ってもいいんじゃないかなと普通に考えて乾物に行きつきましたね。「クッチーナ・トキオネーゼ」というテーマで、(クッチーナが料理、トキオネーゼが東京風の)一つのテーマとして掲げてやっていたこともあります。

小泉 今回の旅のメインとなるのは、やはり「ドン・アルフォンソ」を訪ねることですね。アクアパッツアの生まれ故郷とそれを生んだナポリの空気を感じに。イタリアの魅力って何でしょうか。

日髙 「イタリア人」という魅力。それと食べ物が絶対でしょう。特に南、地中海のそばであったら本当に飽きないです。1週間ずっと滞在していても、イタリアの海鮮料理って飽きずに食べられます。人生を楽しむというラテン系気質。日本とは対極にあるから、あの空気に憧れるんじゃないでしょうか。バールに行くと楽しい会話があって、ディスプレイも見るものが目新しい。八百屋さんに行ってもゴロゴロとトマトがあって、日本の八百屋さんでキチッと並んでいる様子とは全く異なる。そういうおおらかさに魅かれますね。

小泉 弊社のお客様はシニアの方が多いのですが、日髙シェフのお料理は「体に優しい」と思います。日本の旬の食材を使い、コース料理でも食べきる事ができると聞きます。

日髙 素材を活かしていると自然に体に優しい料理になってくるのでしょうね。イタリアと同じものとは考えていません。イタリア料理の良い所は、食材をいじくり回さず、出来る限り活かす所ですね。

小泉 素材を活かした本場イタリアンを満喫する旅、今からとても楽しみです。美味しいものを食べると元気に、笑顔になります。お供できる事を光栄に思います。本日は貴重なお時間、お話しをありがとうございました。

アクアパッツア(イメージ)

ドン・アルフォンソの自家農園
(イメージ)

日髙良実氏の横顔
日髙シェフのお店
日付
~日髙良実シェフの原点「Don Alfonso1890」へ~ 太陽の食卓ナポリ&ソレント半島へ

ツアーポイント

  • 日本を代表するイタリア料理のシェフ日髙氏による特選レストランのコーディネート!
  • アグリツーリズモやマンマの家庭料理、現地の生産者を訪ねるなど、特別な体験をして頂けるよう、イタリア在住の精通したスタッフと共に、弊社でも多くの美食ツアーに同行する添乗員・小泉緒理枝&イタリア大好き社員上田久美子がアレンジしました!
  • カプリ島やアマルフィやナポリの街もご案内します。

ツアーコード No.7137

1 羽田(14:05予定)✈フランクフルト✈(22:40予定)ナポリ
午後:ルフトハンザドイツ航空にて、ナポリへ。【ナポリ泊】
2 ナポリナポリの朝市サンタ・アナスタシアナポリ
午前:日髙シェフと一緒に活気溢れるナポリの市場へ。その後、ナポリ郊外へ。スローフード協会による保護品目“ピエンノーロ・チェリートマトの畑
昼食:田舎のマンマの家庭料理をどうぞ。
午後:ナポリに戻り、スパッカ・ナポリを散策しましょう。
夕食:星付きレストランが経営の美味しいピッツァにご案内
【ナポリ泊】
3 ナポリ(船)カプリ(船)ソレント
午前:ナポリ港より船にてカプリ島へ。青の洞窟
午後:夕刻、カプリ島より船にて陽光のリゾート地ソレントへ。
夕食:ソレントのレモンを使ったお料理をどうぞ。
【ソレント泊】
4 優雅な南イタリアの休日・シェフ特選レストラン『ロ・スコリオ』
ソレントフロレアマルフィソレント
午前:急峻なアマルフィの斜面にある街フロレに立ち寄り、希少なワインを試飲。
昼食:★シェフ特選★『ロ スコリオ ダ トンマーゾ』にてお召し上がりください。
午後:ドライブしながらアマルフィへ。到着後、アマルフィ市内散策後、ソレントへ戻ります。
【ソレント泊】
5 日髙シェフの原点『ドン・アルフォンソ1890』とアマルフィ海岸ドライブ
ソレントアマルフィ海岸ソレント
午前:アマルフィ海岸をドライブしながら『ドン・アルフォンソ1890』へ。南イタリアで初めてのミシュラン3ッ星獲得し、現在も安定の2ッ星で誰もが憧れるレストラン。同行する日高シェフもここで修業をしており原点ともいえる場所。是非、お話しをききながら、ゆっくりとお楽しみください。
★ドン・アルフォンソでお料理教室★(予定)1品、お料理を作っているところを見せてもらい、いただきます!
昼食:★シェフ特選★『ドン・アルフォンソ1890』にて
午後:ソレントへ。
【ソレント泊】
6 美味しい本場のモッツァレラをいただきます
ソレントナポリ
午前:バスにて一路、サレルノの南へ。地水牛ファームがあり、本場の新鮮なモッツァレラチーズを作る工場があります。モッツアレラチーズ工房にて見学とチーズの試食。
昼食:眺めの素晴らしい山奥のアグリツーリズモにてビュッフェスタイルでどうぞ。
午後:ドライブしながらナポリへ。到着後、グラン・グスト(食料品店)に立ち寄り、その後、ナポリ湾を見下ろせる、ポジリポの丘へ。
夜 :レストランにて、さよならディナーをどうぞ。
【ナポリ泊】
7 ナポリ(12:15予定)✈ミュンヘン✈
午後:ルフトハンザ ドイツ航空(予定)にて帰国の途へ。
【機内泊】
8 ✈(10:35予定)羽田 午後:到着後、解散
出発日/旅行代金(予定)
3月28日(火) 568,000円

◆燃油サーチャージ:目安額7,600円

◆お1人部屋利用追加料金:60,000円

※正式パンフレットをご請求ください。

輝くソレントの海(イメージ)

厳選レストラン

5日目・昼食

「ドン アルフォンソ1890」

ドン アルフォンソ1890

南イタリアで憧れのお店といえばこのお店。日髙シェフが修業をしていた店で、南イタリアで初めてミシュラン3ッ星を獲得したお店。現在も安定の2ッ星レストラン。今では誰もが唱えるようになった「地元の食材を使い、伝統料理を尊重しながらも、革新的な料理を」というコンセプトでお料理が創られます。また、オーガニックにもこだわった自家農園や農場を持っており、そこで採れた食材もお楽しみ。日髙シェフによるお料理のお話しなど聞きながら、ゆっくりとお過ごしください。

© Don Alfonso 1890

4日目・昼食

「ロ スコリオ ダ トンマーゾ」

ソレント半島の突端に近く、煌めく海が目の前に広がる地中海料理の家族経営のレストラン。知る人ぞ知るお店で、シーズンになると大型クルーザーに乗った世界中のセレブが訪れる。お店は開放的でカジュアル。気軽にお楽しみください。

投稿:首都圏発海外旅行担当