出発地を選択してください。出発地はいつでも変更できます。
出発地を選択してください。
×
MENU

機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2013年01月05日

2013年1月 5日 旅なかま1月号 2013年も 私達は応援します!! がんばろう!ギリシア

〔本稿は会員誌『旅なかま』2013年1月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま1月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

pickup_2013_01_greece_title.jpg

 私のギリシアの旅は、いつの間にか40年になろうとしている。夥しく重ねられた旅の記憶をたぐり寄せると、みな昨日のことのように鮮やかに甦るけれど、それなりに歳月は流れ、長大な歴史を誇るこの国の、小さな変転を自分の目と足で見たという気もする。

 一九七〇年代の初め、羽田空港をたち南廻りの飛行ルートで行くと、眼下ではヴェトナム戦争が交戦中だった。アテネではいまだ、昔日の内乱の影が落ちていて、時には不穏な騒動もあった。

 しかし、私の旅じたいは、いつ、どこを訪れても何の支障もなく心満たされて終わり、帰国時の空港では、早くも次回のプランを考えるしまつだった。

 太古の頃からこの国の人々は旅好きだったと聞く。確かに、神話伝説や歴史の中で、交易や外交、ときには戦いですら、とほうもない旅の話が語られている。英雄たちの修業には苦難の冒険や恋の旅がつきものだし、往時、外に出にくかったはずの女人のドラマにみちた旅もかなりある。

pickup_2013_01_greece_ph1.jpg

 「フィロ・クセニア」といって、自国を旅する異邦人への格別の心づかいをする慣わしなど、自らの経験があってこその伝統だ。旅をしていて、義理人情に厚い国民性に、ここは西洋かと思うことがよくあった。
 私の心を釘付けにした、初めてのギリシアの旅は忘れ難い。とりわけ、アテネの国立考古学博物館でギリシア彫刻を観ていたときのこと。かつては墓地に墓として建ち、供養されていた様ざまな墓碑に、幾人もの人間像が彫られている。ときには一家の使用人や飼犬までつどい、力なく永遠にみつめている死者に寄り添い、ひしとその手を握りしめている。
 狩猟の事故で先立った息子に追いすがる老爺、黄泉へ旅立つ娘を見送る夫婦。紅葉のような手を、亡き若い母の胸に伸す赤子(ケラメイコス博物館)など、逝った者となおこの世に在る者とを、ひとつ墓石に彫り残した古代ギリシアの彫刻は、世界にも類例をみないと賞賛されてきた。たぐいまれな発想もさることながら、あふれる死者への哀惜の情に圧倒され、静かなたたずまいに胸打たれた。

pickup_2013_01_greece_ph2.jpg

 それにしてもこの国ほど、オリジナリティに豊む遺産をもつ国はなく、そこから限りなく旅のテーマも浮かんでくる。平和を念い、武器を捨てて開催したオリンピック競技祭、人間の平等化を求め築き上げた直接制民主主義、人々の生きざまに密着した哲学や文学、演劇やオペラの礎になったギリシア悲劇と喜劇、各国の議事堂や劇場にみる神殿建築など、総て力強く現代生活に繋がり、それらの遺跡もみられる。

pickup_2013_01_greece_ph3.jpg

 私の旅が行き着いたのは、これら総ての根源にあるギリシア神話の世界だった。古い歴史や伝説を生んだ、美しい山野や大河、町や村は往時のままの名称が残されている。エーゲ海の小島や山奥の過疎地にも神話の発祥地があり、全土が世界遺産といってもよい神々の大地に、生き倒れて私の旅が終る日となることを願っている。

※上記全ての写真提供:楠見千鶴子先生

pickup_2013_01_greece_prof.jpg

現地ツアーコーディネーターに聞く「ギリシアの『今』」

悠久の歴史は魅力的ですが、我々が知りたいのは「今の」ギリシア。そこで、アテネ在住40年以上のギリシア・ツアーコーディネーター水田敏夫さんに現状を聞いてみました!

――まずは、最近のギリシアの政情と市民の様子は?
昨年11月のEU財務省会議で支援策がほぼ決定したことで、情勢は落ち着いてきています。事実、デモやストも昨年は大幅に減りました。しかも今、デモ参加者は一部公務員のみで一般人は無関心。場所も官公庁が集まるアテネのシンタグマ広場だけ。パルテノン神殿始め古代遺跡などの観光箇所に全く影響はありませんし、お店も通常通り営業しています。さらに、他都市やエーゲ海の島々へ行くと、のんびりした空気が流れていますよ

――といっても、やっぱり観光客は減少していますよね
いや、それが他ヨーロッパ諸国や北中南米、アジア諸国からの観光客は増えているんですよ!特にエーゲ海クルーズは人気絶頂で、連日クルーズ船が島の港を行き来しています。日本人だけが心配し遠慮して、ギリシアに来ないのは残念でなりません。

――では、今年ギリシアを訪ねるならベストシーズンは?
遺跡歩きに最適なのは穏やかな気候の春か秋ですが、私としては春がお勧め!クロッカスやアネモネ、ラン、ケシ、野生のチューリップなどが咲き乱れ、石造りの遺跡が花の絨毯で覆われる景色は一見の価値があります
 農業と観光が主産業のギリシアへの一番の経済支援は一人でも多くの日本人観光客がこの国を訪れること。今年は皆様が、ギリシアを訪れることを願っております。 (聞き手・宮嶋 博)

pickup_2013_01_greece_prof2.jpg

◆関連ツアー◆
ギリシャ 全般

投稿:朝日インタラクティブ