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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2013年05月22日

2013年5月22日 旅なかま6月号 江藤 詩文の世界食べある記

〔本稿は会員誌『旅なかま』2013年6月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま6月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

旅するもの書き江藤詩文の世界食べある記Vol.1 魅惑の野菜料理 in スイス

それはスイスの首都ベルンでのこと。ベルンは首都として現代的な機能をもちながら、中世の面影をいまに伝える情趣豊かな街です。オレンジがかった茶褐色の屋根が特徴的な建物が並ぶ旧市街は、1983年に世界遺産に登録されました。ドイツ語で「時計塔」を意味する「ツィートグロッケ・トゥルム」が街のシンボルです。1530年から一度も休まずに動き続けるぜんまい式時計。毎正時には雄鶏や熊、道化師などが音楽を奏でるこのからくり時計を、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

ベルンの旧市街を見下ろすバラ公園のレストランで

ベルンの旧市街を見下ろすバラ公園のレストランで

そんなベルンで昼食をとるために、地元で人気というカジュアルなレストランに入ると、誰もがひと抱えはあるサラダをほおばっているではありませんか。前菜代わりのサラダとメイン料理の2皿構成が基本メニューということで、さっそく注文してみると。
登場したのは、直径25センチはありそうな大皿に美しく盛りつけられたボリュームたっぷりのサラダ。赤や黄色のトマトにみずみずしいキュウリ、甘みのあるニンジンやタマネギ、キノコ類、数種類の葉ものを取り混ぜて、使われている野菜は10種類以上。チコリやセロリといったかすかな苦味のある野菜の配分も申し分なし。それらをまとめるドレッシングはパンチがあって食欲をそそります。「野菜じゃお酒は飲めないな」なんて思っていましたが、これはビールにも白ワインにも合うったらありません。
「ベルンでは、たいがいどこのレストランにも、店を代表するサラダがありますね。野菜の組み合わせや切り方、ドレッシングなどで個性を競うのです。メインの肉や魚にも、野菜をたくさんつけ合わせます」とシェフ。フランスやイタリア、ドイツといったヨーロッパで有数の農業国で美食大国と隣り合ったスイスは、新鮮で質の高い野菜が手に入りやすいのだそうです。なんて幸せな……!

チューリヒ「ヒルトル」で味わえる色とりどりの野菜料理

チューリヒ「ヒルトル」で味わえる色とりどりの野菜料理

野菜料理が自慢なのは、ベルンだけではありません。日本からスイスへ直行便を利用した場合の玄関口になる、スイス最大の都市チューリヒも負けていませんでした。チューリヒには1898年に創業した野菜料理専門店「ヒルトル」があります。ヨーロッパのベジタリアンにはよく知られた老舗。ここではサラダはもちろん、冷たい料理や温かい料理、アジア料理やアフリカ料理など世界の料理、野菜を肉や魚に見立てた「もどき料理」まで、じつに100種類以上の野菜メニューを、日替わりや週替わりで味わえます。ちなみにスイス インターナショナル エアラインズのビジネスクラスを利用すると、「ヒルトル」がプロデュースしたベジタリアン料理を機内食として味わえます。
「ヨーロッパ旅行は食事が重たくて」なんて心配する声もよく聞きますが、ベルンやチューリヒではまったく不要です。では野菜ばかりでストイックな食事なのかといえば、当然ながらそうではありません。
九州よりちょっと小さな国土に4つの国語をもつスイスは、地域ごとにさまざまな食文化が根づいています。ものすごく乱暴にひとことでくくってしまうと、スイス―ドイツ語圏は昼間からビールをがぶがぶ飲み野菜料理をたっぷり、スイス―フランス語圏は夜ふけまでワインと肉の美味にしっぽりと耽溺するといった感じでしょうか。
訪れる場所ごとに、まったく表情の異なる味覚を体験できるスイス。スイスの旅は周遊型で食べ歩きをおすすめします。

「ヒルトル」で味わったタルタルステーキ風の野菜

「ヒルトル」で味わったタルタルステーキ風の野菜

江藤詩文 その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化を体感するなど知的好奇心を刺激するラグジュアリーな旅のスタイルを提案する。現在朝日新聞デジタル&Wに「世界美食紀行」、msn産経ニュースほかに「江藤詩文の世界ゆるり鉄道の旅」を連載中。

取材協力:スイス政府観光局
撮影:江藤詩文

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投稿:朝日インタラクティブ