出発地を選択してください。出発地はいつでも変更できます。
出発地を選択してください。
×
MENU

機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2013年05月22日

2013年5月22日 旅なかま6月号 Wine 巻頭インタビュー「ワインが好きになるお話」

〔本稿は会員誌『旅なかま』2013年6月号に掲載されたものです〕
ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらのフォームからお申込みください。その際、「旅なかま6月号希望」とご記入下さい。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

Wine 巻頭インタビュー ワインがもっと!きっと!好きになるお話 お料理と共にいただくワインも、旅の楽しみ。数々の賞を受賞し、世界各国のワインを知り尽くしたソムリエ情野博之さんに、ワインの楽しみ方や、これから注目のワインについてうかがいました。「あまり飲めない」という方も、「気づくとボトルが空になってしまう」方も、少しのきっかけでもっと、きっと、ワインが飲みたくなるお話です♪
世界水準のソムリエのいるレストラン

水谷(以下「水」):情野さんは、日本のグランメゾンの最高峰「アピシウス」のシェフソムリエでいらっしゃいますが、「シェフソムリエ」というのはちょっとなじみのない言葉なのですが?

情野博之氏(以下「情」):「シェフ」という言葉自体が、「料理をつくる人」のように思われているのですが、「チーフ」という意味なんですね。ですから日本語で訳すと「ソムリエ責任者」といった感じでしょうか。アピシウスにはソムリエは4人いますので、それを束ねて、ワインの買い付け、ワインリストをつくるとか、そういったことをしていますね。

:最近、最難関である国際ソムリエ連盟認定のインターナショナル・ソムリエの試験に合格されたり、シャンパーニュ騎士の称号を得たり、国際的な権威のあるソムリエが出てくるお店というと、なんだか緊張してしまいます(笑)

:・・・お客様に緊張させてしまうソムリエはどうかと思うんですが(笑)
おもてなしに関しては、お店が地下なので、少し閉塞感があるんですけど、その中でリラックスしていただけるように絵画をかざっているんです。

:本物のシャガール、ユトリロ、アンドリュー・ワイエス・・・美術館の中でフレンチをいただくような感じで贅沢ですね。そうかといって、堅苦しい感じがしない・・・

:そうですね。スタッフは皆、気さくで温かいです。そしてここにいらっしゃるお客様も皆様お優しい。30年間通ってくださる方も。スタッフをやりこめてやろうとか、そういう方はいらっしゃらない。そうするとスタッフとお客様の間そしてお店全体に、いい雰囲気がうまれます。新しくいらした方もウェルカムで、これからよろしくという感じになりますね。

:それは素晴らしいですね。旅行も似たような雰囲気づくりが大事で、参考になります。お客様とスタッフの間の「あうんの呼吸」があって、そうなれば最高ですね!

好きなワインを知るということ

ソムリエが出てきたら何を言えばいいかわからない、という方は多いと思うのですが、いかがでしょうか?

:そうですね、とりあえず「白か、赤か」おっしゃっていただければ、そこから、さっぱりか、コクがあるのがいいか、フルーティーなのがいいか・・・などウィンドウズを開くようにこちらから聞き出すようにしていますね。
でも、フランスで働いていたときは、好きなものを好きなだけ食べて、好きなものを好きなだけ飲む、という方が普通でした。肉だから赤、じゃなくて、肉でも白という方はいくらでもいらっしゃったんです。

こだわらず自分の好きなものでいいわけですね。

:はい。ただ、できれば色々飲んでいただいた上で、好きなタイプというか、品種を知っておくと楽しいし、こちらもご相談させていただきやすいですね。

:素人的な質問になってしまいますが、ワインについてよくわからないと、「ボルドー」「ブルゴーニュ」「トスカーナ」「ピエモンテ」というように地域名で選んでしまいがちだと思いますが、地域・産地というより「カベルネ」「ピノ・ノワール」といったような「品種」に注目するといいのでしょうか?

:そうですね、例えば「ボルドー」と一口に言っても、その中でもサンテミリオン地区だと品種はメルローが主体ですし、メドック地区ですとカベルネですよね。同じ地域・産地の中でも個性があるので比較して飲んでみると楽しいと思うんです。

:なるほど。まずはいろいろな品種を試してみて、自分の好きな方向性を知ってみるとよいのですね?

代表的なワインの品種と特徴

:はい、その方が、ソムリエも薦めやすいんです。
例えば「カベルネが好きなんです」と言われると、渋みがあってしっかりしたワインがお好みなのかな、ではカベルネではないけどこういうのもありますよ、とか、「普段はシャルドネを飲むんですが」と言われると、こってりしてボリューム感があるから、今日はさっぱりしたこちらの感じはいかがですか?などと、新しいものを薦めたり。お客様の好みの品種がわかると、それを元にいろいろ考えたりということができるんですね。
ところで品種でワインを選ぶ場合は、ニューワールドから入った方がわかりやすいんです。フランスはラベルに品種がかいていませんからね。

:確かに、南米やオセアニアのワインには品種がわかりやすくかいてありますが、ヨーロッパの一部地域のラベルは品種がわからないですね・・・。

:ラベルの記載方法は法律で決められているんですが、フランスのものにはかいていないことが多いんです。
かといって、例えば「シャンベルタン」(地域名)とかいてあればブルゴーニュの代表的なワインで、品種はピノ・ノワール以外ありえない・・・と、これは常識なんですね。

:品種がかいていなくても、わかるのはきっとフランスでは常識なんですね(笑)

:ただ、フランスでも書いてあるエリアもあるんです。
アルザス地方などは、もともとワインのラベルに品種をかくという伝統があるのですが、ドイツとの領土問題でフランス政府は負の気持ちが強くて、あまり口出しできないんです(笑)。ですから、ラベルに「リースリング」とか、品種がかいてあるのが定着しているんです。

品種が明記されているチリのラベル フランスのラベル

:初心者は、品種がわかりやすいとありがたいですね。

:ですので、最近は、ヨーロッパのワインがニューワールドに押されてしまうこともあるんです。安いし、わかりやすいんですよ。
ボルドーのカベルネはどれなの?と探しても、わからなくて、「ボルドー」と書いてあるだけの安い格付けのを買って失敗してしまったり…それだとしっかりしたチリのカベルネに負けてしまいますよね?ですからフランスでも、ラベルに品種をかかせてください、という動きもあるんですけどね。

好きなワインを知るということ

:さきほどお話にもでてきましたが、最近どんどん出てきている「ニューワールド」(注・フランス、イタリア、スペイン、ドイツなど古くからワインが造られているヨーロッパの地域に対して南米、南アフリカ、アメリカ、オセアニアなど近年発展がめざましいワイン生産地域の総称)と言われているエリアのワインは実際いかがですか?。

:「ニューワールド」と言っても広いのですが・・・どこの国のワイナリーも基本的につくりはかわらない、だいたい同じなんですよ。違いといったらやはり土地なんですね。
たとえば南半球ですと、これから可能性をもっているのはニュージーランドとチリだと思いますね。オーストラリアですと赤道に近すぎてしまって、暑いんです。温暖化で、ぶどうの北限(南半球の場合は南限)というのがどんどん変わっていますが、ニュージーランドやチリは、土壌も手あかがついていなくて乾燥し、良いぶどうが取れると思います。
あとは、出荷のしやすさを工夫すればいいんです。急に人気になるニューワールドのワインというのは、例えば飛行場が国際化して一気に知られるようになるんです。ニュージーランドのオタゴも、バンジージャンプ発祥の地らしいんですけどワイナリーが人気になったのは、オーストラリアからの直行便が入るようになってからで、それまでは何もないところだったんです。

:いいものができても、売れなければ、買う人がいなければ広まらないんですね。それでは、日本のワインはいかがですか?

:日本のワイン造りでも、ハード面はプレス機から発酵タンクまでヨーロッパと同じです。つくるプロセスもほとんどかわらない。技術的には、日本が劣っているという事はまずないのです。うちのワインリストにも、長野と山梨のを2ついれています。
実は、フランスの畑などは100年200年続いているので、疲れが出てきているものもあります。一時期農薬もまいていましたしね。そういう意味では、北海道など土地がピュアなところでは無限大の魅力がありますよね。

:山梨や長野が有名ですが、北海道に注目されているんですね?

:北海道も、ワイン造りは歴史があります。冷夏や地震などで、財政が破たんしていた池田町が、北海道最初のワイン「十勝ワイン」で町おこしをしましたよね。ドイツのワイン醸造所に研修にいって、働きぶりを認められ、「私は外を見ている、その間におこったことは何も知らない」と、当時は国外持ち出しが禁じられていたワイン酵母を持って帰らせてくれたとか、北海道の産業を振興させようという中で、ストーリーがあったんですね。

:良い話ですね・・・

ブルゴーニュ地方のワイン畑 北海道・鶴沼ワイナリー

:ただ、道東や道北ですと品種によっては寒すぎるんですね。最近は、道央・道南エリアでワイナリーが増えているんです。世界最大の栽培面積を持つのはカベルネという品種です。近年の温暖化もあって暖かいところで育つカベルネを植えるところは増えていて、中国でもどんどん植えていたりするんです。ですが、対して「カベルネ以外の何か」で注目したいのは北海道のピノ・ノワールなんですよ。

:カベルネと違い、冷涼なエリアでないとできない、繊細な品種だそうですね。

:はい。栽培面積もすごく限られていて、ロマネ・コンティとかシャンベルタンが有名なので人気がありますけど、世界全体の生産量からすると微量なんですね。
ピノ・ノワールの第一のテロワール(大地)はブルゴーニュ、その次がオレゴン。第三がニュージーランド、第四がどこか?というと、北海道だと思います。・・・と、言っている人はまだいませんが(笑)私は世界的にそういえると思います。条件はそろっていると。
今、お酒やワイン造りもボーダーレスの時代ですよね。日本酒も世界中でつくられているし、利き酒の世界大会もある。そういう意味では、日本の、北海道のピノ・ノワールが人気になる可能性は充分にありますね。

:北海道のピノ・ノワールは市場に出まわっているのでしょうか?

:ふつうのスーパーなどではまだですね・・・あってもインターネットで、少量ではないでしょうか。最初は年間2千本くらいでしたしね。まだこれからという感じなのですが、見つけたらぜひ試していただければと思います。

:それは楽しみですね!
ワインといえばフランスとか、ヨーロッパのものというイメージがありましたが、ニューワールドや日本の新しいものを試してみないと、もったいないという気がしてきました。

「テロワール」を楽しむ

:最近、「テロワール」という言葉をよく耳にしますね。日本語にするとどのような意味になりますか?

:ぴったり一致する単語は日本語でも英語でもないのですが、ワインの風味を左右するのが、その土地の土壌や環境、大地・・・「テロワール」であるというようなことですね。

:よく、「その土地の食べ物にはその土地のワインをあわせましょう」というのがありますが、同じ大地で育ったローカルのワインは、やはり食材との素晴らしい相性をもっているのでしょうか?

それは間違いではないです。例えばボルドーのレストランで、ブルゴーニュのワインを頼む人はまずいません。
日本でも、一般的に、京都に行って新潟のお酒は飲まないですよね。料理もお酒も、その土地の歴史に裏付けられて作られているということもありますから、基本的には合うものなんです。ただ、北海道でとれるものすべてに北海道のワインが合うか・・・イカの塩辛にも赤ワインがあいますか?といわれると、「うーーーん」という感じになってしまいますが(笑)。なんとなく雰囲気でもいいんですよ。そこでとれたものにはその土地の気候や風土が全部入っていますし。特有の「テロワール」を感じることができますよね。

:雰囲気、気分的なものも加わるので、やはりローカルのワインを飲むとおいしく、楽しく「テロワール」を感じられるのかもしれませんね!
お話しをうかがって、新しいワインを試してみたり、もっとワインについて知りたくなりました。ありがとうございました。

(聞き手・海外旅行部 水谷 史)

ワイン講座のご案内 自由が丘ワインスクール

情野博之氏同行ツアー 詳細はパンフレットをご請求下さい。
その国のワインを味わう旅へ ヨーロッパでワイナリー見学や、試飲を含んだコース

France

(以下のツアー名をクリックいただくと、詳細ページにジャンプできます。)

[首都圏発]オーベルニュからアキテーヌ 10日間
サンテミリオンのブドウ畑に囲まれたシャトー2連泊!

[首都圏発]魅惑のプロヴァンス紀行 9日間
コート・デュ・ローヌの銘酒「シャトー・ヌフ・ド・パプ」を試飲

[首都圏発]レマン湖からアルプスへ 10日間
コート・デュ・ローヌの最北コート・デュ・ロティのカーヴを見学

[首都圏発]アルザスからブルゴーニュ 10日間
両地方のワインを試飲、10・11月は収穫祭やワイン祭り見学も!

アルザス・ワイン街道の美しい村リクヴィール Germany

[首都圏発]車窓から眺める南ドイツの小さな街々 10日間
フランケンワインの里イプホーフェン村で試飲を

遥かに広がるブドウ畑 ずらりと並ぶバローロ・ワイン Spain

[首都圏発]風にふかれて 中央スペインをゆく 9日間
今世界が注目の「リベラ・デル・ドゥエロ」のワイナリーへ

[首都圏発]フランス・スペイン・バスクへの旅 9日間
バスク特産の爽やかな微発泡性白ワイン「チャコリ」を試飲

黄金色のブドウ畑に建つワイナリー Italy

[首都圏発]トスカーナ・ルネサンス紀行 11日間
モンテプルチャーノのワイナリーで試飲とエノテカでの軽食をピエモンテからトスカーナ

[首都圏発]「美しい村」と美食を楽しむ 10日間
ワインの王様バローロの老舗ワイナリー「マルケージ・ディ・バローロ」を訪問

リベラ・デル・ドゥエロのワイナリー

その他、スイス、オーストリア、スロベニア、ギリシアなどにも個性的なワインが創られています。
郷土料理と共にワインを楽しみ、その国特有の「テロワール」を感じて下さい。

「ニューワールド」南アフリカ、ニュージーランドへのコースも多数ございます。
お食事にその土地のワインも試してみては?

写真は全てイメージです。
提供WIKIMEDIA COMMONS

投稿:朝日インタラクティブ