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水面に映るヨーロッパ
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氷河期が去り、温暖化から地表の氷が流れ出し、巨大な力で山々を削り海に流れていった跡、それがフィヨルドです。ノルウェーでは山間部まで海水が流れ込み、川や湖のようなフィヨルドを形成しています。圧巻は全長200km、最深部1300mに及ぶノルウェー最大のソグネフィヨルドです。フィヨルドを船で行けば、切り立った山から落ちる水量の多い雪解け水の滝、人里離れた地に立つ古い一軒の農家、そして教会。水面に目をやれば、鏡のように静かで波の無い海に映る、切り立った山並みと船の軌跡だけです。
フィヨルドの魅力を更に堪能できるのが白夜の季節でしょう。フィヨルド沿いのホテルで過ごす一夜。日没は午後11時近く、日の出は朝4時前です。夕食後の夕方の雰囲気が残る中、ボートで湖のようなフィヨルドに漕ぎ出せば、静寂な明るい夜を独り占めです。早朝に重く厚いカーテンを開けば、フィヨルドの静かな朝の景色が迎えてくれます。
ノルェーの偉大な作曲家グリークはこのフィヨルドの自然をこよなく愛しました。文豪イプセンの依頼により作曲された「ペールギュンド組曲」。この組曲の一部である「朝」を目を閉じて聞けば、フィヨルドの静かな朝の海面が思い起こされます。
フィヨルドに行かれる際には、「ペールギュンド組曲」のテープやCDを是非ご用意下さい。フィヨルドの旅が更に思いで深いものとなることでしょう。(原 一美)
ドイツの黒い森から始まりルーマニアにて黒海へと注ぐ2826キロのドナウ川の中でも、ウィーンやブダペストでみる眺めとは一味も二味も違った趣があり、特に地形の変化に富み風光明媚な一帯が約35キロに渡って続くヴァッハウ渓谷です。この一帯はワインの産地としても有名で、ブドウ畑の連なる丘陵地帯が広がっています。そしてブドウ畑のすぐ隣の山の上には中世の古城がドナウを見守るかのように佇んでいます。
ヴァッハウでは何と言ってもドナウ川クルーズを楽しまずにいられません。ドナウの流れに身を任せ、ゆっくりゆったりと船は進みます。世界遺産に登録されているメルク修道院から、ヴァッハウ渓谷の東の端に位置するクレムスまでは約2時間の船旅となります。途中、船は中世からある古城や教会、修道院などを通り過ぎ、ヴァッハウでは1、2を争う見所であるデュルンシュタインに着きます。ここにある城は、12世紀の第三回十字軍の際、オーストリア公爵の名誉を汚した為にイギリスのリチャード獅子心王が幽閉されていたという曰くつきの城。今現在は廃墟となっていますが、ここからの街とドナウの眺めは素晴らしいです。
古城を眺めながら中世に想いを馳せるのも良し、ドナウの川面を渡る風を肌に感じながら、ブドウ畑を眺めて名産のワインを楽しむのも良し、又、途中下船をして中世の面影を色濃く残す町を散策するのも良し。楽しみ方はあなた次第。(大島 哲也)
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