PROVENCE/COTE
D'AZUR (プロヴァンス/コート・ダジュール)
春はプロヴァンスとコート・ダジュール
やうやう白くなりゆく山ぎは少し明かりて、セザンヌの描ひた稜線に雲のほそくたなびきたる。
アルプスの険しい山々が地中海にストンと落ち込んだ地形のコート・ダジュールは、春になると一段とその輝きを増します。ピカソやシャガール、マチスなどこの地を愛した画家たちは、まばゆいばかりの光と紺碧の風に創作意欲を燃やし、生きる喜びを感じました。
プロヴァンスでは黄色いミモザにつづいて、赤いポピーの花が春の訪れを告げます。与謝野晶子が「ああ皐月(さつき)仏蘭西(フランス)の野は火の色す
君もコクリコわれもコクリコ」とうたったコクリコです。
今年は印象派を代表する画家ポール・セザンヌが亡くなってちょうど100年目にあたります。この春、セザンヌ縁のエクス・アン・プロヴァンスでは、さまざまな記念イベントが企画されています。セザンヌが愛したサント・ヴィクトワール山やアトリエなど、見所満載です。
 
BRETAGNE/NORMANDHIE (ブルターニュ/ノルマンディー
)
夏はブルターニュとノルマンディー
モン・サン・ミッシェルはさらなり。地の果てもなほ、印象派の画家の多く描きちがひたる。また、ただ一つ、二つなど、巨石遺跡がつづくも、をかし。海の幸などもをかし。
フランス最西端のブルターニュ。アルモールと呼ばれる海の国には荒波に侵食された野性的な景観が、またアルゴートと呼ばれる森の国には、巨石文化やアーサー王伝説が残る謎めいた魅力があります。
ブルターニュの村の一画で出会う「聖堂囲い地」。聖堂・小広場・カルヴェール・納骨堂・凱旋門・墓地まで配したこの地方独特の「生と死が交流する場」は、ブルトン人古来の信仰であるドルイド教に根差した死の観念が深く影響を及ぼしているといわれます。
ノルマンディーには、モネが大聖堂を描いたルーアン、ブーダンが生きたオンフルールなど、印象派の画家達に愛され、絵のモティーフとなった地が多くあります。真っ白い切り立った崖と岩のブリッジが美しいエトルタは、芸術家ならずとも魅了される風景です。
 
ALSACE/BOURGOGNE (アルザス/ブルゴーニュ)
秋はアルザスとブルゴーニュ
夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、木組みの家の軒先の花が三つ四つ、二つ三つなど、見え隠れするもみごとなり。まいて、葡萄の葉も黄金に輝き見ゆるは、いとをかし。日入りて果てて、美味なる酒、夕げの膳などは、はた言うべきにもあらず。
フランスとドイツの間で何度も領有権が変わったアルザスは、律儀さと繊細さを合わせもつ地方です。古い家並みの残るストラスブールと、運河の町コルマールの間は「アルザスワイン街道」といわれ、葡萄畑の真珠といわれるリックヴィール、シュヴァイツァー博士の故郷カイゼルスベルクなど、可愛らしい村が点在します。
中世の秋を彩ったブルゴーニュ公国は、かつてはフランス王家をしのぐほど絶大な権力と栄華を極めました。ディジョンの旧公国宮殿の衛兵の間の彫刻に、その名残を垣間見ることができます。ヴェズレー、オータンなどでは、最高傑作といわれるロマネスク彫刻や鮮やかに蘇ったフレスコ画に出会えることでしょう。
世界に名だたる高級ワインが産出される「黄金の丘」コート・ドール。その中心のボーヌには、フィリップ善良公の大法官ニコラ・ロランが、貧しい人びとの救済のために建てた施療院が今も残っています。
 
FRANCE (フランス)
今年も 大仏蘭西の旅
田舎の風情は言ふべきにもあらず。壁画や柱頭のいと美しきも、またさらでも。ドルドーニュ、オーベルニュ、ピレネー、ロワイヤルも、いとつきづきし。立春になりて、ぬるくゆるびもていけば、パンフレットなど、問い合わせてみようかと、おもひいたるなり。
フランスの美しい地方を訪ねましょう。ドルドーニュ、ケルシー、ペリゴールは水と緑が豊かで、その景観も驚くほど多様。地元の良質の石材を利用した美しい家並みはフランス随一で、映画のロケにもよく登場します。
中央山塊に位置するオーベルニュは伝統的なものがそのまま残り、コンクに代表されるオーベルニュ・ロマネスクが魅力です。火山帯独特の風景と、高架橋が注目をあびたタルン渓谷の絶景も見所の一つ。
スペインとの国境、地中海と大西洋をつなぐピレネー山脈にそってカタルニアからバスクまでは山の景観が圧巻です。歴代フランス王戴冠の地シャンパーニュと、フランスの庭といわれる豊かなロワールも見逃せません。
(静少納言)
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