TIROL/DOLOMITI (チロル/ドロミテ)
素朴なチロルから迫る岩壁 ドロミテ街道を歩く
アルプスを線で旅するならチロルからドロミテ街道へと抜けるルートがいい。穏やかで素朴、昔ながらのアルプスの雰囲気が漂うチロルの谷々はいつのまにか旅人と山々の距離を近くする気がする。そしてブレンナー峠へ。気候のみならず文化圏さえも一変するその峠を越えるとラテン世界のアルプスが開ける。現在では高速道路の道となったがその街道沿いには充分にアルプスの旅情が残る。私はいつもこの峠で、イタリア出身のメスナー(人類初のエベレスト無酸素登頂者)が、『私はチロル人である』と答えた故郷への愛着と誇りに満ちたメッセージを思いだす。ボルツァーノから東に進路をとりドロミテ街道へ。幾つかの峠を越えると突然岩峰が迫る景色がある。そこはチロルとは全く異なる男性的なアルプスの世界を感じさせる。夕刻、高級山岳リゾート、コルチナ・ダンペッツォに着いた。街の通りにはカフェを楽しむ観光客と、ザックを背負いあたかも岩壁に挑んだ山男達が交錯する。山岳リゾート、コルチナ・ダンペッツォならではの顔である。
ドロミテきっての名峰で知られる3つの塔のように聳えるドライチンネンはコルチナからほど近い。―誰もを歩きたいという気持ちにさせる山々に間違いない。
 
CANADA/ALASKA (カナダ/アラスカ)
心に迫る北方の 大自然を往く〜
圧倒的な迫力の雪山が目に写る。それは1984年2月12日、厳冬のマッキンリー単独登頂に挑む、植村直己さんのテレビで見た時だった。当時、僕はその偉業を理解できるはずもなく『凄い山』であるという印象だけが残った。その後植村さんは翌日の交信を最後に消息を絶った。・北の自然は非情で厳しい。
夏。ユーコン沿いの街ホワイトホース。オーロラが見える街としても知られる。ユーコンはアラスカを経てベーリング海まで続く大河だ。西に進路をとりクレアニ国立公園へ。太平洋岸に近い温暖な立地でありながら山岳展望と氷河が犇く。ハイウェイを北上するとやがて永久凍土地帯に入る。
―いよいよアラスカだ。山岳氷河で知られるセントエライアス国立公園を経てさらに北西に旅を続けるとマッキンレー山を要するデナリ国立公園。北極圏に近く時に北の短い夏を狩に集中する野生動物達の楽園となる。グリズリーベアー、エルクをはじめとする動物達が短い夏を懸命に生きている姿がある。
旅行者はデナリ国立公園唯一の道を進む。その道は自然に優しい道でもあり、デナリに暮らす生き物に敬意を表す道でもある。マッキンレー北壁が見渡せるストーニーヒルに立つ。
―北の大地アラスカを旅歩く、そして旅する。それは厳しくも自然回帰への旅でもある。  
NATIONAL PARK AMERICA (国立公園
/アメリカ)
ナチュラリスト スティーブ・ブラウンが選ぶ
アメリカ 国立公園の旅
はじめまして。私は北米中西部をはじめ、アメリカ並びに日本のあらゆる国立公園へ、世界中からのお客様をご案内しています。そして今回、私が厳選した5つの国立公園へ朝日サンツアーズの皆様をご案内させていただくことになり、今からとても楽しみにしています。
イエローストーン国立公園では、突然吹き上がる間欠泉や野生動物が北米一豊富で毎日が命のドラマに満ちていますから、ワクワクドキドキの連続で、決して飽きることがありません。
グランドティートン国立公園では映画”シェーン“でも使われた素晴らしい景色で心を癒してください。
ヨセミテ・セコイヤ・キングスキャニオン国立公園には、人々に畏怖の念を抱かせ、魂を突き動かす力があります。一緒にセコイアの巨木の森を歩き、その神秘に包まれた森を肌で感じましょう。
ここアメリカの国立公園内では人間はあくまで脇役。太古から受け継がれてきた大自然の生態系を学ぶことからエコツアーがはじまります。内容もとても濃いものになっておりお客様には驚き、感動の連続で、大満足の旅になることと思います。
この素晴らしい旅で、皆様と感動を分かち合うのを心から楽しみにしています。
(文/スティーブ・ブラウン)  
CHINA (中国)
中国・横断山脈の青いケシ
外国にまで野生植物観察に行こうという方々の中で、人気の高い花を三つ挙げるとしたら、その中に必ず入ると思われるのが〈幻の青いケシ〉と呼ばれるメコノプシス属の植物である。一口に青いケシと言っても同種は約40種程に分類され、その中には黄や赤の花を咲かせるタイプもあり多彩な世界を創り出しています。
青いケシと言うとヒマラヤの高山に咲く印象が強いようですが、実は分布の中心は中国西南部で、特に雲南省、四川省、青海省からチベットにかけて、ガンジス、サルウィン、メコン、長江、黄河の五大河が集まり、5000〜7000m級の山々を深く抉る横断山脈こそ青いケシの原郷なのです。実際にこの一帯では最近でも新種の可能性を秘めた青いケシや飛燕草が発見され注目を集めています。
地理的にも政治的にも接近困難な秘境だったこの地も、経済の発展と改革開放により訪問可能となり、幻の青いケシだけではなく、高山の厳しい寒気に対応して綿毛を身に纒うセーター植物や、葉を薄いフィルム状にして温室を造った温室植物など、実に巧みな環境への適応を見せる植物に巡り逢えるようになった事は大変嬉しい事です。
―知られざる花の絶景世界へようこそ。
(文・写真/大内 尚樹)
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