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旅なかま 9・10月号

煌きのアジア
煌きのアジア
煌きのアジア


アンコール・ワットアンコール・ワットアンコール・ワット

寺院によって造られた町 アンコール・ワット

一生に一度はアンコール・ワットへ。壮大な規模を誇る大伽藍であり、世界に類を見ない建築と彫刻・美術の最高峰ともいわれている。第一塔門から見渡すとオオギヤシ数本の樹林の遠くに、広い天空を背景として五つの尖塔が峻立し、自然が持つ恵みも味方につけ実に美しい。

樹木が遺跡を包んでいる遺跡もある。`タ・プロームaこの寺院は発見された当時の姿のまま保存されていたため、ガジュマル(榕樹)が遺跡に絡みついたすさまじい姿を目のあたりに見ることができる。
「東洋のモナリザ」の別称を持つ女神デヴァターが立っている`バンテアイ・スレイa。女神に相応しくバラ色の砂岩で造営されていて、斜光を浴びるとくれない紅に染まり、光輝く。今にも話しかけてきてくれそうなほど、功緻精妙である。

「クメールの微笑」といわれている`観世音菩薩の四面仏aが塔頂を飾るアンコール・トムのバイヨン廟。丸彫りで、アンズ形の目、厚い唇は現在のカンボジア人の特徴と同様である。

クメール人の精神と美意識の結晶が集約されているアンコール・ワット。ゆっくり時間をかけて歩いてこそ楽しめる。

懐かしい時代を回想

6世紀にメコン川中流域に興ったクメール族の国・真臘(しんろう)1296年、真臘を訪問した元の周達観(しゅうたつかん)は、その見聞録を「真臘風土記」として著した。市場の店頭に並ぶ商品は、葱、韮、茄子、南瓜などの野菜、魚、香辛料、雑穀類・・・お酒は蜜、樹葉、米、糖を原料に作る4種、香料や特産物などと記され、現代の市場となんら変わりのない様子がうかがえる。「商売はみな婦人の得意とするところ・・・」という一文もあり、妙に納得できる。

アジアの国に出かけると、昔ながらの遊びをする子供たちの姿を目にすることがある。ヤシの殻を半分に割り、中央に穴をあけ紐を通し、殻に乗り引っ張りながら歩行競争を楽しむ。子供の頃、たけぽっくりで遊んだことを思い出す。

食事も美味しい。野菜はたっぷり日を浴びた味がする。暑いところで熱い料理を食べるのも、辛い料理を食べるのも、地元でいただくと風土のおかげか格別に美味しく感じる。あたたかい人柄の良さも料理に伝わるようである。

悲惨な歴史を繰り返してきた地の人々も、今アジアはとても逞しい。観光名所を巡るだけではなく、生活の匂いを感じる旅をしていただきたい。黄昏時、落日の光を受けたアジアの地で、古き良き懐かしい時代を思い出す。そんな一日があってもよい。

南欧とアジアの風に 吹かれて彩色マカオ

4世紀半もの間、ポルトガルの影響を強く受けたマカオは、南欧と中国の文化が幾重にも交差する街。コロニアルな建物が並ぶカルサーダス(石畳)を歩けば、いつのまにか、渦巻き型線香が煙をくゆらす極彩色の中国寺院にたどりつく。荘厳な教会が建ち並ぶ合間には、ゆったりと時間が流れる茶芸館。アジアとヨーロッパ、両方の顔を持つマカオは、他のどこにもない魅力にあふれている。

2005年7月、マカオの歴史市街地区が世界文化遺産に登録された。そのエリアは、22の歴史的建築物と8カ所の広場を含む日常生活ゾーン。見どころが数珠つなぎになっていて、道草しながらのんびり歩くのがコツである。

新企画「マカオ世界遺産探訪と広東省・開平洋楼7日間」では、マカオに3連泊。街そのものが生きた博物館のため、特別にマカオ博物館の解説員とともに散策。ホテルは、コロアン島南東部のハクサビーチに丘の斜面を利用して建てられた`ウェスティン・リゾート・マカオaを利用。マカオ中心からは30分程離れているが、マカオ半島とは雰囲気の異なる静かなリゾート地でホテルライフもお楽しみの一つ。

お食事も大航海時代に各大陸から食文化が運ばれた影響か、グルメパラダイス。マカオ料理に加え、人気の高い`ミリタリー・クラブaへ。もともと陸軍倶楽部の会員制レストランで正統派ポルトガル料理を堪能できる。

(協力/マカオ観光局・文/大島明未)




枝川一巳氏 枝川一巳氏(えだがわ かずみ)
(写真家)

略歴:東京写真大学(現・東京工芸大学)卒業
出版社勤務の後、フリーランスとなる。
1970年、(有)ユニックフォトサービス設立、出版物及びコマーシャル写真など、写真撮影全般に従事。
『写真塾・いいだばし』を主宰指導。
ほか、カルチャースクールの写真講座、アマチュア写真クラブ等での撮影指導を行なっている。
ライフワークで“能登半島”と“世界の街角”を撮り続けており、2001年から“現代シルクロードの旅”撮影にとりかかる。


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