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旅なかま 11・12月号

花と光に包まれて〜
花と光に包まれて〜
花と光に包まれて〜

 旅行に行って空港から一歩外に出ると、その国ならではの空気を胸いっぱいに吸い込みたくなります。春のオランダの空気は、花とそれを生み出す大地と水の匂い。水蒸気をたっぷり含んだ空気と光の中で広がる一面の花畑は、写真で見るのとは一味違う色彩を放っていて、あの空気に触れると「ああ、オランダに来たのだ」という思いが満ちてきます。そんなオランダの柔らかな空気を含んでゆったり回る風車も、移動中の目を楽しませてくれる景色のひとつ。最近オランダでもずんぐりした木製の風車は少なくなりましたが、世界遺産の村キンデルダイクには19基もの風車が残されており、実際に中に入ってカラクリを見学できる風車もあります。
  風車といえば春限定の公園キューケンホフにも大きな風車が1台あり、700万株もの花々が咲き乱れる広大な園内を見渡せるだけでなく、時期によっては公園周辺に広がるカラフルなチューリップ畑も一望できます。公園内のお花に関しては特別な栽培方法が取られていますので、開園中いつ行ってもチューリップ、ヒヤシンス、水仙など様々な球根花が楽しめるようになっています。色はもちろん形も大きさも実に多様で、どこでシャッターを切っても絵になる美しさ。訪れる際には、フィルムの予備をお忘れなく。
 オランダの暗く長い冬はこうした花々の登場で終わりを告げ、キューケンホフ公園周辺では、色とりどりの花で飾られた山車や陽気な音楽隊による花パレードが盛大に開催されます。今年のパレードは4/21開催予定です。オランダ人と一緒に春の訪れに心躍らせてみませんか。
 山の無い平らな国オランダでは、花や緑を生み出す大地は遮られることなく続き、空は日本で見るよりずっと大きくどこまでも広がっているよう。そして雲の動きは早く、大地に光と影が次々にやってきては去っていく…そんなオランダの光と空気があったからこそ、フェルメールの「デルフトの眺望」の空の大きさや、女性を描いた作品の包み込むような優しい光が生まれたのかもしれません。もう一人のオランダの巨匠レンブラントも「光と影の魔術師」と呼ばれる画家。一筋のスポットライトのような光は絵に輝きを与えています。数百年の時を超えて、フェルメールやレンブラントと同じ空気の中に今、自分がいるのだ、と考えながら絵を鑑賞すると、また違った感動があります。お花畑も風車も見逃せませんが、光と空気を感じながら旅してみるのも、オランダならではの春の楽しみ方といえるでしょう。  (飯田純子)










飯田純子 オランダ政府観光局
トラベル・トレード・マネージャー
飯田純子さん
(いいだ じゅんこ)


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