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旅なかま 11・12月号

エクス・アン・プロヴァンス、オランジュ、ヴェローナ音楽祭の魅力と今年の見所
エクス・アン・プロヴァンス、オランジュ、ヴェローナ音楽祭の魅力と今年の見所
エクス・アン・プロヴァンス、オランジュ、ヴェローナ音楽祭の魅力と今年の見所

 今やフランス最大の音楽祭となったエクス・アン・プロヴァンス音楽祭。美しい自然、風光明媚な土地での音楽祭は夢のようなひとときが約束されています。単にスター歌手を集めるのではなく、アカデミーを運営し若手を育成したり、将来有望な若い世代の歌手たちを積極的に登用しています。舞台にもあまりお金をかけず、演出家のセンスで勝負をするという方針や、他の劇場、音楽祭と共同制作を中心にしたり、運営面でも世界に範たる音楽祭と言えます。主要会場は大司教館の中庭や大劇場など5箇所で、野外ステージや劇場等様々な舞台でお楽しみ頂けます。今年も意欲的なプロダクションがずらりと並びますが、最大の話題はサイモン・ラトル率いるベルリン・フィルによるワグナーの楽劇「ワルキューレ」でしょう。音楽祭のエース指揮者とも呼ぶべきダニエル・ハーディング指揮の「フィガロの結婚」、バロックオペラのスペシャリスト、ルネ・ヤーコブスによるモンテヴェルディの最高傑作「オルフェオ」も見逃せません。
 同じプロヴァンス地方のオランジュの音楽祭は、フランス最古の音楽祭という歴史を誇ります。非常に保存状態の良い古代劇場での野外オペラですが、舞台後方の切り立った巨大な壁には彫像や豪華な装飾が施され、またその壁自体が反響版の役割をし、素晴らしい音響効果を作ります。今年の演目は佐渡裕の「蝶々夫人」とジャナンドレア・ノセダの「トロヴァトーレ」。特に「蝶々夫人」は、ヴェロニカ・ヴィッラロエルとマルコ・ベルティの実力派コンビにスイス・ロマンド管弦楽団がオケピットに入るとあって大注目です。佐渡裕&スイス・ロマンド管によるオーケストラ・コンサートでは、バーンスタインの「キャンディード」「ウェストサイド物語」、ガーシュインの「パリのアメリカ人」というアメリカ音楽に、ルガンスキーをソロに迎えチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を演奏します。
 ヴェローナ野外音楽祭は、世界最大規模の音楽祭として有名ですが、アレーナと呼ばれる円形闘技場は野外にもかかわらず、奇跡的に音響が良いため、マイクを使わずにオペラを上演します。今年は、「ナブッコ」「アイーダ」「ボエーム」「セヴィリアの理髪師」「椿姫」の5タイトル。特に「ナブッコ」「アイーダ」「セヴィリアの理髪師」の3演目は新演出とあって話題になっています。




上月 光氏

上月 光氏  (こうづき ひかり)

略歴:音楽評論家、(株)ラテーザ代表取締役社長。武蔵野音楽大学声楽科卒業。
音楽評論家として、音楽評論紙、新聞、雑誌等多方面で記事の連載を担当し、音楽関係、特にオペラ分野での最新の情報と豊富な知識に基づく評論は注目を集めています。また、朝日サンツアーズとの付き合いは長く、これまでも数々の商品を発表する際に、ツアー・アドバイザーとして、企画、チケット手配にご協力を頂いております。


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