タスマニア島
オーストラリア本土から約200km離れた南緯43度に位置するタスマニア島。北海道を一回り小さくしたこの島は自然を愛する者をことごとく魅了する。
心の底から美味しいと思える空気は雨水さえも飲めるほど。遠くアフリカ大陸から吹く偏西風は途中、一切の不純物を含まずピュアな空気のままタスマニア島を包み込むのだ。
そして、古生ゴンドワナ大陸時代から頑なにその植生を守り続けている原生の深い森の中に足を踏み入れると、巨大なシダや固有の針葉樹林、ユーカリの木々に囲まれる。一方、足元にはタスマニア・ワラタをはじめとする多種多様なワイルドフラワーが色鮮やかに咲き乱れる。ウォンバットやワラビーなどの野生動物達の無邪気な姿にも心癒される。そして、これらの抜群の環境が育んだシーフード、タスマニアンビーフ、野菜、チーズ、果物などがふんだんに盛り込まれた食事もタスマニア島の自然の恵みとしてありがたく美味しく頂きたい。
今日、私達人間が自然を支配するという逆転現象が起き、その結果、危機的な自然環境破壊に直面している。この懐の深いタスマニア島に地球の本来在るべき姿を見出すことできる。そして、人間と自然が共生する理想のスタイルがここにはあるのではないか。
信仰の山・梅里雪山
チベット族にとって信仰の対象である梅里雪山(バイリセツザン6740m)は、チベット自治区、四川省、雲南省にまたがる横断山脈に属する。
雲南省北部にある梅里雪山麓の町・徳欽(約3300m)は、中国の馬や茶をチベットに運ぶb茶馬古道cの要衝。その町にb明珠酒店cが建立されたのは今から3年前。このホテルの部屋から梅里雪山の主峰(最高峰)チベット語でカワカブ(白い雪)6740mが望めるように配慮されている。
ここに暮らす人々は、この山に毎日祈りを捧げている。徳欽から遥か遠くに暮らすチベット族も巡礼の為に訪れている。この地まで来ることのできない人々も、心の中で深く信仰されている山_梅里雪山_
10月中旬、私は3日間徳欽に滞在し、山のピークに雲がきれる瞬間を待った。秋も深まるこの季節は、だいぶ気温が下がるが、空気が澄み、聖なる山を望むにはベストシーズンだと思われる。しかし、毎日天候に恵まれる確率は少ないので、徳欽に連泊するプランがお薦め。ゆったり滞在し、5000〜6000m以上の頂きが連なる梅里雪山の姿が現れた時の感動は格別である。
東南アジアに潤いを与え続けている金沙江(長江の上流)、瀾滄江(メコン川の上流)・怒江(サルウィン河)の大河の渓谷地帯に位置し、梅里雪山はその分水嶺の最高峰。この地帯も三江併流として世界遺産に登録されている。
この山に祈る人々に出会い、聖なる山を眺望する時間はきっと忘れられない体験になるはずである。
世界の屋根 「ヒマラヤ」
ナガルコット。その集落は、ネパールの首都があるカトマンドゥ盆地の東の端、古都の薫りを残すバクタプルから山道を分け入った「丘」の上にある。頂上の標高は二千百メートル。日本で言えば、「立山・黒部アルペンルート」の室堂に当たる高さだが、世界の屋根・ヒマラヤを擁するネパールでは、小さな「丘」に過ぎない。しかしながら、この丘からの眺望は大変素晴らしいことで知られている。早朝、古都・バクタプルやカトマンドゥ盆地が朝霧に閉ざされ、朝早く農作業や首都カトマンドゥに向かう人影が、霧の中から不意に浮かび上がる頃、ナガルコットの丘では、霧に閉ざされた下界が眺望できる。反対の方向を向いて、目を遠くに向けると、そこには神々しいばかりに輝くヒマラヤの山々が、万年雪を抱いてどっしりと鎮座している。太陽が上がり、日の光が当たるとき、ランタン・ヒマルの白い姿が、一瞬、紅をさしたように紅に染まる。光はやがて山全体を照らし、明るくなってくるのだ。
しばらくすると、朝凪が終わり、そよ風を頬に感じる。ようやく下界を覆っていた霧が、斜面を登って真っ白な雲に姿を変える。その頃には、古都バクタプルは喧騒の中にも伝統の薫りを漂わせ、日常の中に旅人を誘う。ナガルコットからでさえ、このように美しいヒマラヤの山々。深く山の中に分け入った「タンボチェ」や「ゴラパニ」では、一体どれほどのものなのか。
その答えを求めて、是非、世界の屋根「ヒマラヤ」を訪れてみたい。
ニュージーランド“宝のある場所”
ニュージーランドは日本とどことなく同じだ。というのも、周りを海に囲まれた島国で、面積は日本のおよそ3分の2の大きさ、日本とは逆ではあるが四季もある。とても似通ったところが多いので、実際にこの地に足を下ろすとなぜかホッとする不思議な国なのである。ただ、違うところは他に類をみないb地球の宝物cである世界遺産が多く点在するところである。その中でも日本の本州に匹敵する南島にはマウントクック、ウエストランド、マウントアスパイアリング、フィヨルドランドなど数々の名立たる国立公園が点在する。この4つの国立公園を含む広大なエリアをひとつの世界遺産として登録している。その面積は国土の約10%を占め、マオリ語で「宝のある場所」を意味し、その名の通り、サザンアルプスの雄大な山岳風景、ブナの原生林、ダイナミックな氷河、フィヨルドや氷河湖などの多彩な風景が点在。
ニュージーランドの最高峰マウントクック(3754m)やマウントタスマン(3497m)の山々が連なるマウントクック国立公園はあまりにも有名だが、もっとおすすめしたい一押しの場所がそのすぐ西側に位置するウエストランド国立公園。サザンアルプスの西側斜面がタスマン海へと急激に落ち込む地形で、「双子の氷河」と呼ばれるフランツジョセフ氷河とフォックス氷河が海に流れ落ちるような姿で隣り合わせている。その近くにはマセソン湖という、サザンアルプスを湖面に映す幻想的な美しさも訪れる者を魅了して止まない。
|