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旅なかま 8月号

地中海の真ん中 マルタ共和国
地中海の真ん中 マルタ共和国
地中海の真ん中 マルタ共和国

 日本から、はるか西へ15時間。地中海の真ん中に位置する小さな島、それがマルタ共和国。国土総面積は約316焉B東京23区の半分ほどの世界で十番目に小さなこの島には約40万人の人々が暮らしている。ヨーロッパ大陸とアフリカ大陸で、それぞれの文化の影響を受けてきたマルタは独特な魅力のあふれる国として、大変注目を浴びている。地中海の島国という事もあり、年間120万人以上の観光客がマルタを訪れ、それぞれの余暇を楽しんでいく。人口の 倍以上の観光客が訪れるのには理由がある。治安が良く安心して訪れる事の出来る英語圏のリゾート地として有名であると同時に、多くの世界遺産が点在している国として知られているからである。
 
 マルタの歴史は遡る事約7000年。気が遠くなるほど遥か古代からこの島では文明が開化していた。現在マルタでは、首都ヴァレッタ、巨石神殿郡(6つの神殿)、ハル・サフリエニのハイポジウムの3箇所がユネスコの世界文化遺産に登録されている。巨石神殿郡が紀元前4500〜2000年頃、ハイポジウムが紀元前2500年頃、そしてヴァレッタは1571年に作られた町である。この年号からも分かるように、マルタの歴史はとても古い。先史時代の神殿などからの発掘品は、ヴァレッタ市内の国立考古学博物館で見学できる。古代の建造物、発掘品はたくさん残ってはいるが、残念ながらマルタの歴史は多くが今尚謎に包まれている。多くの伝説が残る神殿群に、島を訪れる旅人達は、謎に包まれた遥か古の時代に思いを馳せ、古代マルタを思い思いに想像しながら、島を巡って行く。当時の人々の生活やどのようにこの神殿を作り上げたのか・・・そんな想像をしながら巡るのもマルタの醍醐味だ。

 今から約470年前、1530年3月24日。この島はスペイン皇帝カール5世からヨーロッパの騎士団に与えられる。その騎士団の名は聖ヨハネ騎士団(のちのマルタ騎士団)。聖ヨハネ騎士団は、中世キリスト教巡礼者を介護する為に設立された慈善団体であり、テンプル騎士団、ドイツ騎士団とともに3大騎士修道会のひとつに数えられる大変名誉ある宗教騎士団であった。入団資格のひとつに高貴な家柄出身の次男以下という条件がある為、大変裕福な家の出身者の集まりで形成されていた。騎士達は、領地からの収入や身内からの莫大な経済的援助受け、当時宗教的対立関係にあったオスマン・トルコに対抗する為に、ひとつの完全計画要塞都市を作り上げて行く。その都市は当時の騎士団長ラ・ヴァレットを称えて、ヴァレッタと名づけられた。町の建物の外観は簡素で素朴な作りをしているが、一歩建物の中に入ると外観からは想像が付かない豪華で壮麗な世界が広がっている。現在は大統領府、国会議事堂など主要公的機関の集まる首都マルタ共和国の首都として機能している。1980年にはユネスコ世界文化遺産に指定された。

 騎士団の時代の後はフランス、イギリス支配を経て1964年にマルタは独立。1974年に共和国となる。その後冷戦の終わりを告げる東西巨頭会談、マルタ会談の舞台となり、2004年には欧州連合(EU)の加盟国となった。
 また最近のマルタは映画のロケ地として多くの作品の撮影が行われている。
 来年マルタはまたひとつ新しい変化を迎える。いよいよEUに加盟している多くの国と同様に、ユーロに通貨を移行する。ユーロへの移行によって、ますますマルタへの渡航が便利になる。

 地中海の真ん中という絶好の地理条件にある為、数々の侵略が繰り返され、激動の時代を生き抜いてきたマルタ。今はのんびりと時間の流れる平和な島となり、旅人たちを迎え入れている。
 

スリーマからのバレッタの眺め
アッパーバラッカガーデン
巨石神殿(ハジャイーム)
ハイポジウム
巨石神殿(ジュガンティーヤ)

遠藤 三千雄氏

遠藤 三千雄氏 (えんどうみちお)

マルタ観光局
日本・韓国地区局長



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