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旅なかま 8月号

コーランが聞こえる
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遺跡の宝庫・中近東

 世界の4大文明に数えられるエジプト文明。エジプト古王国時代(紀元前2800年頃〜)に建築されたピラミッドは中近東地域を代表する遺跡の一つ。
 このエジプトの文明と共に、メソポタニア文明も古代ローマ時代に大きな影響を与え。メソポタミア地域から誕生したフェニキア人の守護神バアルが祀られていた地にローマ人たちはバアルベック神殿を建設した。シリア中央部の列柱通りが美しいパルミラ遺跡や、映画インディー・ジョーンズの撮影にも利用されたヨルダン南部のペトラ遺跡は、ローマ人が改修し、隊商都市として発展していった。
 ローマの覇権時代には、地方都市の住民の満足を得るために、各地に半円劇場や円形闘技場が建設された。リビアの海岸線には、その時代にアフリカ大陸にいた猛獣をローマ都市の闘技場に搬送する積み出し港の跡が今も残されている。
 特に、トルコ西部海岸線には木馬の伝説の残るトロイ遺跡、ヘレニズムの香りが残るベルガマ遺跡、紀元前11世紀のイオニア人の都市国家が基となった地中海を代表するエフェソス遺跡、地震によって水没したケコア遺跡など数多くの遺跡が残されている。
 地中海沿岸部に存在する中近東諸国は遺跡の宝庫。中近東の旅の魅力は、なんと言っても古代の風を感じられる旅となる事だろう。
 
遺跡の宝庫・中近東遺跡の宝庫・中近東

大自然の宝庫・中近東

 早朝のサハラ砂漠。前夜の風が風紋を残して吹き抜けていった。キュッキュッという音を残しながらヴァージン・サンドを踏みしめて歩く。砂漠の日の出はもうすぐ。サハラ砂漠は太古には海の中であった。砂漠のかたわらでは、今もアンモナイトの採掘が行われている。イスラエル南部のネゲブ砂漠には大クレーターが存在する。一億年以上前からの地球の地殻変動と浸食作用がこのクレーターを創造した。
 シナイ半島の中央部にそびえる標高2285mのシナイ山。モーセが十戒を受けた山として知られている。燃える柴の伝説の残る聖カテリーナ修道院より苦難の道をご来光を求め山頂を目指す。モーセと同じ光を見ることができるだろうか。
 全長6695ワ、ナイルは世界最長の河。砂漠の中を流れる河は、流域を緑地に、カイロ以北を肥沃な扇状地と成した。ナイルの氾濫が、古代から数学・地理学・天文学を進歩させた。
 サハラ砂漠に接する地域には驚きの風景がある。モロッコ南部のカスバ街道に近いトドラ渓谷、チュニジア南部のタメルザ渓谷。どちらもアメリカのグランド・キャニオンを彷彿される。
 中近東は大自然の宝庫でもある。

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喧騒の世界・中近東

 早朝。モスクのミナレットから、日の出前の祈りの時間を知らせるアザーンの響きが静寂を破る。それは一日の始まりを告げる神の声でもある。
 スークには、迷路のような細い路地に小さな店がひしめきあう。同業者が隣り合って軒を連ねる。果物、パン、スパイス、香水、カーペット、貴金属の店。スパイスの店からは強烈な香りが漂っている。
 朝のスークは店に商品を運ぶロバや馬で交通渋滞。
 スークの喫茶店を、男達が飲む強いアラブコーヒーの香りと水タバコの煙が包んでいる。ドネルケバブの屋台も仕込みに忙しい。
 昼下がり。モスクへ祈りに向かう人並みがスークを賑わせる。そして午後は再び男達の世界。
 夕刻。スークの広場には屋台店が開店の準備に忙しい。夕涼みを兼ねた人々が夕食や買い物に忙しい時間となった。大道芸人達も商売の準備を終えた。
 そして夜。アセチレンランプで明るく照らされた一番の時間となる。ケバブの店の客引きの声、大道芸人の汗。売り子の客引き合戦。本当の喧騒の時間が始まった。
 深夜。広場の賑わいはまだまだ続く。彼らはいつ眠りにつくのだろう?
 中近東の一番の魅力は、この喧騒の世界なのではないだろうか。

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新しいリゾート・中近東

 海抜マイナス405m。死海、ここは世界最低の地。死海の水の塩分濃度は30%と普通の海の10倍といわれる。まさに水中生物を寄せ付けない死の世界。また、死海の海水浴は浮遊の世界。不思議な世界が体感できる。死海の海底に太古より体積したミネラル豊富な泥は、今では美容に良い泥となり多くの女性が集う地となった。
 インド洋に面するアラブ首長国連邦。ドバイはオイルマネーで大きな成長を遂た首都。ホテルの建設ラッシュで賑わい、マスコミへの露出も多い。昨今、世界中より観光客が集うようになった。インド洋の海も青かった。
 チュニス郊外のシディ・ブ・サイド。ポエニ戦争で有名なカルタゴに近いこの地はチュニジアン・ブルーの世界。空の青・海の青・ドアの青が印象的な街。地元名物のナッツ入りミント・ティーを飲みながら青い海を眺めれば、遠くにボン岬が見える。古代からカルタゴに入港する船のランドマークとなった岬だった。
 ヨーロッパから近い中近東の国々には避寒を求めて人々が集うリゾート地が多い。そんな地を訪ねれば、喧騒の世界から一瞬の逃避ができる。まさに中近東に居る事を忘れさせてくれる時間だ。

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