出発地を選択してください。出発地はいつでも変更できます。
出発地を選択してください。
×
MENU

機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2011年03月25日

【スタッフひろば】 今月の『対決』 自然的中国 vs 歴史的中国

今月の対決
〔本稿は会員誌『旅なかま』2011年3月号に掲載されたものです〕

海外旅行部・森野 健典、添乗員・加藤 美香 ヨーロッパ方面の企画が多い弊社ですが、「中国・アジアをもっと売りたい! 頑張りたい!」というスタッフ達が声を大にして「中国もこれからいい季節だと呼びかけたい!」と言っております。
とはいうものの、広大な中国、どこから行ったら…と迷われる方も多いのではないでしょうか。歴史、自然、グルメ…と切り口は様々ですが、今回は「中国大好き」なスタッフが、「自然的中国」と「歴史的中国」の感動を熱く熱く語ります!

森野:まずは下の写真をご覧ください。ぱっと見て「あ、これ見たい!」と思うのはどちらですか?
hiroba_2011_03_poppy.jpghiroba_2011_03_gubijin.jpg
加藤:もちろん四姑娘山のブルーポピーでしょう!「幻の青いケシ」これに出逢えた時の感動は言葉ではとても…。それに比べると、この石は…なんでしたっけ?
森野:「石」とは何ですか! これは恐れ多くも、かの項羽の愛姫、虞美人の墓ですが。「四面楚歌」の「虞や虞や若を奈何せん」を思い浮かべてここにたどり着いた時の感慨と言ったら…。「ブルーポピー」より「虞美人草」ですよ。
加藤:史跡って、たいてい石碑だけとか、土が盛ってあるだけとか、穴があいてる(笑)とか、一般の人には少し感動がわかりにくいところがありますよね。結構時間かかってたどり着くわりに、石や穴がポツン。
森野:いやいや、「史記」や「三国志」ちゃんと読んでいけば穴にも感動するんですよっ。「漢詩」も知ってから行かないと。
加藤:もちろん有名な場面や漢詩は知っている人が多いと思うんですけど、穴とか土饅頭にたどり着くのに大変な思いをするくらいであれば、大自然に足を向けてほしいと思うんです。ピンとこない、1000年も2000年も前の事を言われるよりは、目の前にある雪山とか花、湖などを見た方が大感動しますよ。
森野:加藤さんは「花」のある人ですからね。
加藤:ええ、人生まだまだ「花」咲かせますよ(笑)!
森野:でも自然が見たいのであれば、スイスとかヨーロッパに行けばいいんじゃないですか。中国よりも、道路状況、食事、ホテルなんかも整っているでしょう。
加藤:いーーやそれは全然違います。中国にしかない自然や風景、例えばエーデルワイスってスイスやオーストリア行っても、岩陰を探して探してやっと「ありました!」ってたったの一輪、みんなで並んで写真を撮って…という感じですけど四姑娘山だと一面に足の踏み場もないくらい咲いてますよ。そこに腰をおろしてみんなでお弁当。このうえもない贅沢と感動を、お客様と分かち合える瞬間です。北朝鮮との国境の山長白山や、雲南省は秋に空気が澄んでて山もきれい。きれいなカラマツの黄葉、チベット族が梅里雪山を見ながら祈っている光景。心が和み親しみを感じるし、ヨーロッパの山もきれいだと思うけど、日本人の琴線にふれるのは、同じアジアの自然じゃないかと私は思うんです!
森野:はい! 日本人の琴線に触れると言ったら断然歴史的な街並みでしょう! 例えば大連、旅順などは特に日本人にとっては郷愁を感じる場所で、満鉄本社、夏目漱石も泊った大和ホテル、そして激戦が繰り広げられた旅順要塞。これらは歴史を知らないで見るのとはまるっきり違う。中国に行くなら、ある程度歴史も学んで訪れていただきたいかと。中国の自然も素晴らしいかもしれないけど一回見れば充分、しかも晴れてないとダメでしょ。季節も選ぶしね。街歩きや史跡だと雨でも雪でも風情あるなあ。博物館も春夏秋冬いつでも行ける。あ、でもちなみに遺跡は冬がベストシーズンですからね。夏だと草木が生い茂って、いろんなものが隠れてしまう。観光客が少なくて、ツアー費も安い時期に行けるのも魅力ですね。
加藤:そりゃ冬は無理ですけど…でも! 自然だって晴れてなくても雨でも楽しんでいただけるし、私はそうしていただける添乗をめざしていますから!  四川省、四姑娘山はもともと雨が多いんですよ。そうでなければあんなにお花が咲かないんです。ブルーポピー、アツモリ草、エーデルワイス、高山植物はみんな雨のおかげ。お客様と雨の中何度もご一緒したけれど、合羽を着てみんなで一生懸命歩いて、ブルーポピーを見つけた時に泣いてしまった方もいらしたんですよ。「これが見たかったから参加した」って。私もブルーポピーのその吸い込まれるような青さに感動しました! 自分も中国語勉強したり、漫画で三国志とか史記とか読みましたけど、感動に難しいことは必要ないと思う。とりあえず歴史がさらっとわかればいい。土饅頭よりも、もっと大自然をみて、歩いて、お客様と感動をわかちあいたい。一緒に崖をよじのぼったり谷あるいたりして、あの花見るために、って一丸となれる。どうですか、すごい情熱でしょう!
森野:情熱はこちらも負けませんねー。史跡・遺跡だって、たどりつくのに容易ではないんです。まずまともな道を行かない。あぜみちはいったり、その辺の農民に道を聞いたり、すぐにはたどりつかない。それでもここを諸葛孔明も歩いたかもしれないとか、想像しながら行くと、自然に涙が出てきますよ。斉の都・臨、趙の都・邯鄲の遺跡とか、このあたりは、城壁からたまらないですね。斉の桓公や管仲がここにいたかと思うと…たまらない。一晩ここで過ごしてもいい! そう思う人は、私以外にもたくさんお客様でいらっしゃるんですよ。みんなで漢詩を口ずさみながら歩いたり、私は項羽派ですねいや劉邦派ですよとか、歴史の一ページをみんなで共有しながら見る。何も知らなければ単なる石や穴、それに感動できる同行者たちに感動します。
加藤:私が昔のものにこだわらず、今吹いている風を感じたいと心から思った場所があるんです。それは雲南省のシャングリラ。「桃源郷」といわれていますが本当にそう。4WDで走っていくと、「腰が痛い! 降りたい」って思った所に一面に花のカーペーットが迎えてくれます。「碧古天地」という所なのですが、ノモカリス、アツモリ草や桜草がたくさん。「標高が高いから走り回らないでくださいね」、って言ったのにみんな我を忘れて花畑を走り回って、あまりに感動して、あるお客様が、「加藤さん、死んだらここに埋めてね」っておっしゃった。縁起でもないと言われそうだけどその気持ちがすごくわかったんです。そこでは過去とか未来はどうでもいい、永遠にここにいてこの風景に囲まれていたいって。
五丈原 孔明の本陣跡梅里雪山主峰とタルチョー(チベットの祈祷旗)
森野:わたしは死んだら渭水に遺灰を流してほしいと思いますけどね。西安の近くね。太公望のエピソードや五丈原。それに『渭城の朝雨軽塵をうるおす 客舎清清柳色新たなり…』‥友との別れを詠んだ、泣ける詩もあります。歴史は地層のように折り重なって、どこへいってもいろんなエピソードがある。春秋・戦国・秦・漢・唐…そのつどドラマがあり、中国全土にちりばめられている。それを全て訪ねることは難しいけれども、自分の好きなテーマの場所を訪れると、そこに知らなかった伝説や物語、エピソードがあったことを知ってまた感動します。山や花は、「ああきれい!」で終わってしまうからね。
加藤:山にも物語がたくさんありますよ! 例えば梅里雪山はチベット族の聖なる山なのですが、雪山山系は一つの家族の山でそれぞれ役割を持っていたり。張家界というところは近年はやった映画「アバター」の舞台にもなりましたし、ドラマは見る人が自分でつくるんです!
森野:加藤さん引きませんね(笑)なかなか決着つきませんがどうしましょうね。
加藤:こうしたらどうですか? 夏場は、四姑娘山やシャングリラの花畑をみてもらって秋は梅里雪山や九寨溝、冬から春にかけて街・史跡・遺跡を訪れるとか。
森野:はは、なるほど。春夏秋冬いつでも中国ですね。
加藤:そうなんです! 私はまず五感をフルに活用し、中国という国を自分の目で見て心で色々と感じていただきたいと思います。目的はなんでもいいので、とにかく行っていただきたい! ガイドさんが、最近は仕事がないって。日中の間には色々な政治的な問題がありますけど、デモとかやっているのは本当に一部の都会の人たちで。仕事のない若者達が便乗してやっているのをニュースでは誇大して伝えています。
森野:確かにね。現地へ行くと、観光客と政治の問題とは別だと考えている人が多いですよ。私も尖閣諸島問題の真っ最中に福建省に滞在していましたが、どこへ行ってもみんな温かかった。日本が失ってしまったぬくもりを持ち続けている素朴な人々、風景があるんです。オリンピックや万博で、少し地方の街に行っても近代化されてしまってきているので、変わらないうちに訪れていただきたいですね。

 歴史に想いを馳せるのもよし、一面の花畑を走り回るもよし…日本からも近いこの国に、足を運ばない手はありません。感動とは、意外と身近な所にあるのかもしれませんね。
【出席者】

森野健典 加藤美香
左:森野健典
中国歴史マニア。漢詩のように韻を踏むのが大好き−人はそれをダジャレと言う。誰かが笑ってくれるまでひたすら連発する。最近江戸検定2級も取得/編
右:加藤美香 鯉のぼりと共に世界を旅する添乗員。中国では中国人に道を聞かれるほど現地になじんでいる。小柄な体からあふれるパワーは中国規模/編

☆☆☆☆☆関連ツアー
中国の旅 全般(「自然」または「歴史」で絞込み検索をどうぞ)

投稿:朝日インタラクティブ