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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2015年01月26日

旅なかま1月号 2015年もっとも熱い北陸〜美しい景色と美酒・美食の宝庫〜

〔本稿は会員誌『旅なかま・国内版』2015年1月号に掲載されたものです〕

ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらの資料請求からお申込みください。その際、「旅なかま・国内版1月号希望」とご記入ください。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

2015年もっとも熱い北陸〜美しい景色と美酒・美食の宝庫〜 雨晴海岸の写真
北陸再発見!!
越中の小京都・高岡

高岡市万葉歴史館芸術課長 新谷秀夫

富山県高岡市には、二つの売り文句があります。一つは江戸時代の加賀藩前田家の文化が息づく《ものづくりの町》、もう一つは奈良時代の『万葉集』ゆかりの地としての《万葉のふるさと》です。まったく異なるこの二つが混じりあう町、それが高岡の魅力なのです。
まずは、《ものづくり》からご紹介します。1609年(慶長14年)、加賀藩二代藩主前田利長が高岡城に入城して高岡の町を開いた時から高岡の歴史は始まります。幕府による一国一城の取り決めで、残念ながら高岡城は廃城となりましたが、その城跡は「高岡古城公園」として整備され、気軽に憩うことができる里山として市民から愛されています。また、まもなく開通する北陸新幹線の新高岡駅の近くには、高岡を開いた利長の菩提寺である国宝瑞龍寺と、国史跡である前田利長墓所があります。江戸時代の禅宗様建築を残す貴重な寺院である瑞龍寺は、人体を模した伽藍配置の壮大さもさることながら、その典雅な美しさも魅力的で、きっと圧倒されるはずでしょう。
これらモニュメントだけでなく、高岡を商工業都市と発展させるために前田家が持ちこんだ産業が今も息づく町もぜひ訪ねてみてください。それは、市街地の中心にある「山町筋」と「金屋町」です。

瑞龍寺

毎年五月一日に行われる「高岡御車山祭」は、富山県内最古の山車祭りで、「御車山」と呼ばれる七基の山車がお囃子とともに旧市街を巡行します。豊臣秀吉から拝領した御所車を利長が町衆に与えたのが起源ですが、その時拝領した町が、土蔵造りの建築が数多く残る町「山町筋」として残っており、重要文化財「菅野家住宅」や「高岡市土蔵造りのまち資料館(旧室崎家住宅)」などの土蔵造りの家が一般公開されています。
この「山町筋」から少し北方に「金屋町」があります。利長が町の繁栄を図るために鋳物師を移住させたのが起源で、高岡銅器産業の中心地となった町です。この銅器産業の象徴のように高岡には、実は日本三大大仏の一つがあります。さて、「金屋町」の千本格子作り(地元では「さまのこ」と言います)の町並みが残る石畳の道を歩くと、江戸時代にタイムスリップしたような感覚におそわれることまちがいありませんので、ぜひ尋ねてみてください。ちなみに、市西部には、全国シェア90%以上を誇る「菅笠」生産の《ものづくりの町》である福岡町があり、カメラをテーマにした珍しい博物館「ミュゼふくおかカメラ館」もあります。

金屋町
高岡御車山祭

さて、もう一つの《万葉のふるさと》もご紹介しましょう。『万葉集』のなかで越中(富山県の古い名)ゆかりの歌を「越中万葉」と呼んでいます。『万葉集』の歌の大半は、奈良県を中心にした現在の近畿地方で詠まれているのですが、その近畿地方の次に数多くの歌が残されているのが越中です。奈良時代、越中の中心となる役所があったのが高岡市伏木の地でした。そのため、万葉研究者や万葉愛好家から奈良に次ぐ「万葉のふるさと」として高岡市は愛され、毎年10月の第一金曜から日曜にかけて三昼夜にわたって高岡古城公園の堀に設置した水上舞台で開催される「万葉集全20巻朗唱の会」には、市内・県内はもちろん、全国から数多くの人が参加されており、高岡を代表する祭の一つとなっています。
さて、当時の役所である「国庁」があったとされる場所には、現在修復中の古刹「勝興寺」が建っています。またその近くには、越中万葉の中心人物で、『万葉集』をまとめた人物でもある大伴家持が住んでいたとされる国守館跡(現在は高岡市伏木気象資料館として整備されています)もあります。そして、日本で初めて『万葉集』をテーマに開館した「高岡市万葉歴史館」もぜひ訪れてみてください。大きな敷地の大半は「四季の庭」と銘打って万葉ゆかりの植物が植えられており、四季折々の花々を楽しむことができます。また、展示についても家持と『万葉集』についてわかりやすく解説していますので、万葉の世界にどっぷりとひたることができるでしょう。

「万葉集全20巻朗唱の会」の様子
大伴家持の像

この伏木の地は「二上山」の山裾に広がった町ですが、この二上山もまた歌に詠まれており、山頂近くには家持の銅像が建っています。さらに、伏木の北には『万葉集』では「渋谿」と詠まれている「雨晴(あまはらし)海岸」があります。海越しに立山連峰を望むことができる、まさに富山湾を代表する景勝地の一つです。平安時代の終わりに源義経が弁慶とともに東北へ向かう途中に雨宿りをしたとされる岩(「雨晴」という名の由来)が残っているこの地は、江戸時代に松尾芭蕉が『おくのほそ道』の旅の途中に訪れて「早稲の香や分け入る右は有磯海」という俳句を残した場所でもあります。このことから、平成26年に国名勝に指定されました。
高岡市はほぼ全域に魅力がころがっている町です。売り文句それぞれを楽しむこともできますが、ぜひ新幹線開通の折りには、ゆっくりと滞在して二つとも味わっていただきたいと思います。

関連コース

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北陸新幹線開通で、ぐぐっと近くなる 北陸地方と首都圏

全国新幹線鉄道整備法に基づく5つの整備新幹線の1つ、北陸新幹線は最終的には東京から大阪までを結ぶ計画で、現在は東京と長野間が開業しています。平成27年3月14日、いよいよ長野と金沢間が開業、金沢開業から概ね10年後に金沢と敦賀間が開業する予定です。
今回の金沢までの開通により、東京と富山間で約1時間、東京と金沢間で約1時間20分の時間短縮となり、人々の交流が増え、日帰りの金沢旅行が現実味を帯びるなど、ビジネスでも観光でも劇的な変化が予想されています。
北陸新幹線用新型車両(E7、W7系)は、12両編成で、定員は934名です。高速で走行するための造形と日本の伝統的な色使い、沿線の風景を融合させ、スピード感と精悍さを表現しています。列車名は速達タイプの「かがやき」、停車タイプの「はくたか」、シャトルタイプ(富山と金沢間)の「つるぎ」の3タイプです。

北陸新幹線内部

投稿:朝日インタラクティブ