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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2015年06月23日

旅なかま6月号 ゴッホ・我が心の旅路

〔本稿は会員誌『旅なかま』2015年6月号に掲載されたものです〕

ご新規のお客様には見本誌を無料でお送り致しますので、こちらの資料請求からお申込みください。その際、「旅なかま6月号希望」とご記入ください。なお、部数に限りがございますので、お早めにお申込みください。

ムンクとゴッホ展」&「ゴッホとその時代展」 二つの特別展とゴッホの原点を訪ねる ゴッホ没後125年記念特別企画 ゴッホ・我が心の旅路
ゴッホ「種まく人」 クレラー・ミュラー美術館
クウェムのゴッホの家
馬鈴薯を食べる人々 ゴッホ美術館

世に天才と呼ばれる画家たちがいます。15世紀のダヴィンチやミケランジェロ、16世紀のカラヴァッジョ、20世紀であればピカソ。そして19世紀では、やはりゴッホでしょうか。その色彩表現、写実にして独特の造形と筆致、透徹した観察力とあまりに純粋な精神。ゴッホは、19世紀という誰もが新しい芸術を目指し、かくあるべき絵画を創造しようとしていた時代にあって、新しい絵画を企図して描こうなどと考えていませんでした。ゴッホは、ただ目の前にあるものを彼の眼を通して描き続けたに過ぎません。それは彼の凄さですが、同様に、対象に対する徹底した観察を生涯続けた画家にセザンヌがいます。奇しくも後期印象派と言われるこの二人の画家によって20世紀の新しい美術の扉は開かれることになります。

ゴッホの傑作と言われる作品のほとんどはアルル時代やオーヴェール時代に描かれたものですが、彼のテーマはオランダ時代から変わることはありませんでした。生涯で最も幸福な歳月と思われるアルル時代でさえ、初期の「馬鈴薯を食べる人々」の続きを描いていると、手紙に書いています。ゴッホが尊敬してやまなかったミレーの世界を追い求めていました。クレラー・ミュラー美術館にあるゴッホの「種まく人」には、眩しいほどの黄金の夕陽が背景いっぱいに降り注いでいます。ゴッホが求め続けてきた世界が成就したと思った瞬間の作品です。しかし、耳切事件の後、アルルの「ひまわり」はサン・レミの渦巻く糸杉やオリーヴに変わり、オーヴェールでは不気味な雲や麦畑に変わります。ゴッホは弟テオの援助がもはや難しいことを悟り、自ら身を引きます。ゴッホ芸術の永遠のテーマはここで終焉を迎えます。

ゴッホが死んで3年後、ゴッホに影響を受けたムンクは「叫び」を描きます。真っ赤に染まった空から終わりのない凄まじい「叫び」が聞こえる。その恐ろしさにムンクは思わず耳をふさぎます。「神が死んだ」19世紀末、誰が世界を救うのか、未だ誰も知らない不安がムンクを襲います。ゴッホとムンクに共通する「不安と絶望と救い」、これが「ムンクとゴッホ展」のテーマです。

ゴッホ没後125年を記念して、オランダやベルギーで、様々なイベントや特別展が開かれます。特にゴッホの作品とムンクの「叫び」が同じ部屋に並んで展示されるというユニークな「ムンクとゴッホ展」(ゴッホ美術館)と、セザンヌやロートレックなどゴッホ作品と関わりのある同時代の画家の作品が展示される「ゴッホとその時代展」(クレラー・ミュラー美術館)は興味深いものです。

「特別企画 ゴッホ・我が心の旅路」では、2つの特別展の他、オランダ・ベルギーの珠玉の美術館を訪ね、巨匠の名画を鑑賞します。あわせて、ゴッホが生涯追い求めた世界の原点、モンス、ズンデルト、エッテン、ヌエネン、ハーグなどゴッホ初期作品の舞台や足跡を訪ね、画家の心の旅路を辿りたいと思います。

(間辺恒夫)

ヌエネンの教会 ゴッホ美術館
ムンク「叫び」 ムンク美術館

◎コースの詳細はこちらよりご覧ください。

画像提供:全てWikimedia Commons

投稿:朝日インタラクティブ