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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年04月09日

旅なかまVol.297 ~西欧の向こうに~私の東欧・中欧案内

〔本稿は会員誌『旅なかま』2019年Vol.297に掲載されたものです〕
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~西欧の向こうに~私の東欧・中欧案内

作家で、朝日カルチャーセンター講師の高橋ブランカさんに、来年予定されている「私の好きなセルビア案内」の旅について伺いました。弊社では来年春より新企画「私の東欧・中欧案内」がスタートします。まだまだ、日本ではあまり紹介されていないヨーロッパ東部の魅力をお話しいただきました。

(聞き手:朝日旅行 鹿野)

セルビアは元気

熱く語る高橋ブランカさん

鹿野(以下:鹿)この度、ブランカさんが同行して、来年の5月に母国セルビアを案内していただくことになりました。セルビアのことをあまりご存じない方も多いかと思いますので、その魅力をまず教えてください。

ブランカ(以下:ブ)そうですね。バルカン半島は、比較的近い歴史でみると、2つの大きな帝国がぶつかり合ったところです。それはオスマントルコ帝国とハプスブルク帝国で、どちらも支配しようとして襲ってきたのですが、その結果、バルカン半島はとても興味深いところになりました。この2つの全く違ったものが、空気に残っているし、土にも沈殿していると思います。そうした過去はまた、人々の細胞のレベルでの記憶にも残っているのではないかと思います。そうすると、さまざまな要素を持ったこの地域の人たちは、日本人から見ると全く違うので、その違いが人を引き付けるものでしょう。セルビアをどうやって紹介しようと思ったりしている時にいつも私の家族とセルビアの友人、又は日本の友人がみんな言うことを思い出しています。セルビア人は元気です。セルビア人の元気、その明るさというのは…。みなさん、安心してください。現地に行けばすぐ分かります!凄くうぬぼれ屋に聞こえるかもしれませんが、私や他のセルビア人に日本の方が会いますと、私たちの元気に、明るさに、エネルギーに圧倒されます。セルビアに行ったら、何十倍、何百倍もそうなんです。そのエネルギーはどこから来ているのでしょうか?バルカン半島のエキスパートではなくてもご存じでしょうけれども私たちは今まで数知れない仕打ちに遭っています。それにも拘らず、こんなに明るいです。不思議と言えば不思議ですね。ひとつ言えることは、その明るさやユーモアのセンスがなければ、もう民族として消滅していたでしょう。それがセルビア人が人を魅了するところだと思います。観光客は、絶対にそれを感じるはずです。

ドナウ川とサバ川との合流点にある古都ベオグラード

鹿 今のお話は、バルカン半島全体に言えることですか。

そうですね。でも特にセルビアにはそれがあります。それは、私がセルビア人だから言っているわけではなく、多くの人たち、中では旧ユーゴスラビアの人たちも言っています。それを物語るいくつかのことを上げますと、たとえば、昔だとお正月は家の中でクリスマスツリーを囲んで美味しいものを食べながら、家族で過ごすことが普通でしたが、ここ2-30年は世界のトレンドとして町の中心の広場へ出かける人たちが多いです。それで、ベオグラードの中心広場にはたくさんの人が集まるようになりました。そこで面白いのが、旧ユーゴスラビアの人たちが沢山来るんです。わざわざベオグラードに。クロアチアからベオグラードに新年を迎えるためとか。スロヴェニアとか、マケドニアとか、旧ユーゴスラビアの人たちが、自分の国で新年を迎えないで。それは、ベオグラードが一番活気があるとみんなが言っています。
旧ユーゴスラビアでは、たくさん血が流れたのにもかかわらず――ま、もちろんいまだにその戦争にこだわる人たちがいますが――若い人たちは、もういいじゃないですかと前向きになって、クロアチア人もスロヴェニア人も、みんなで一緒に踊ったり、楽しんだりしているんですよ。

鹿 ブランカさんから以前、セルビアをスペインのセビリアと間違わないで、と言われたことがありましたが、実は、双方とも共通のパッション(情熱)があるんじゃないですか。その意味では似ていますね。

そうそう。多分。私はスペイン人の性格についてあまり詳しく知りませんが、私たちにはスペイン人のような情熱的な要素がありますね。バルカン半島は、緯度的にスペインとそう違わないし、気候もそんなに変わらないですが、クロアチア人でもなく、スロヴェニアでなく、セルビア人だけに神様が、何かをみんなに与えた時に、元気、明るさを与えたという感じです。

鹿 それ初めて聞いた話です。

絶対にそうです。皆さんがセルビアに来た時にわかるはずです。あとですね、セルビアでは、親日感情が中途半端じゃないんです。東洋人を見かければ、実際に中国人が沢山住んでいますので、中国人かと聞くはずですが、「違います。日本人です。」と言えば、もう、何でもしてくれる。

鹿 それはどうしてですか。

まず、日本に対して遠くてエキゾチックな国で、気品のある国という印象を多くの人が持っています。
独特で、礼儀正しく、本当に品格のある民族だと思っています。そして、ユーゴスラビアが崩壊した時に、国連がいろいろ関わった折に、欧米が本当に助けようとしていたのか、ボロボロにしようとしていたのか疑問がありますが、その中で一人、明石康さんが、最もバランスの取れた態度で、セルビアや他の旧ユーゴスラビアの国々と接しました。アメリカやドイツなどと違って、明石さんはとても冷静でとても公平だったので、セルビア人にとってアイドルのようでした。今でも明石さんを知っている人は多くいます。ひとつ面白い話があって、日本大使館の外交官がスピードオーバーで警察官に止められた時、「どこの国か。」と聞かれ、「日本です。」と答えると、「いいよ。」と言って、「明石さんによろしくね。」と言ったそうですが、それぐらい対日感情がいいんです。

今回のセルビアの旅は

セルビア正教会(ヴルニャチュカ・バニャ)
高橋ブランカさん提供

鹿 今回は、ブランカさんが生まれた町にも滞在しますね。

そうです。私が生まれたヴルニャチュカ・バニャという町です。

鹿 日本人にはなかなか発音しにくいですね。

申し訳ないです。ヴルニャチュカ・バニャと言います。皆さんに練習してもらいますよ。(笑い)
まず、バニャというのは温泉という意味で、他にもバニャと名がつくところはありますが、一番有名なのはヴルニャチュカ・バニャです。一番歴史が古く、最近ではもうひとつ、賞をもらった出来事があって、ヨーロッパにはローマ時代の温泉地の連盟というのがあって、セルビアではヴルニャチュカ・バニャしか入っていません。

鹿 今回はここに2泊しますが、温泉は飲むのですか、それともお湯に浸かるほうですか。

主に飲むほうですが、普通はお医者さんに処方箋を書いてもらってから温泉に入りますが、おそらく、ホテルを通じて外来の方でも水着をつけて入ることは可能だと思います。

魅力が伝わり始めた東ヨーロッパ

鹿 最後に、弊社では、来年、重点的に東ヨーロッパ、中央ヨーロッパを取り上げますが、日本のこともよくご存じのブランカさんに、この地域の全体的な魅力についてお話ししていただけませんでしょうか。

さすがに全体的と言われると難しいですね。ヨーロッパというのは、日本と違うので、そこがまず魅了する大きな理由だと言えますね。逆もそうです。たとえば、私たちヨーロッパ人から見ると、日本のことを何も知らなくても、一度も行ったことがなくても、ものすごく魅了されます。それと同じように、日本人もやっぱりヨーロッパには憧れていると思います。そして、東ヨーロッパとなると、今まで知られていなくて、あまり視野には入っていなかったと思いますが、その東ヨーロッパを西ヨーロッパやアメリカが定期的に発見してきたということで、十分に観る価値があると私は思います。

鹿 もっと具体的に言うとどういうことですか。

たとえば、エジソンと競って、アメリカで活躍したニコラ・テスラという有名な科学者は、日本人では彼がセルビア人だったことを知る人は少ないです。また、この前、ミハイロ・プピンという有名な物理学者をネットで調べた時に、カタカナで検索したら、全然出てこなかったのです。物理学者でありながら、ピューリッツァー賞も取った人なので、そんなはずはないと思い、もう一度検索してみたところ、ミカエル・ピューピンという名前で出ていました。ということで、日本人は東ヨーロッパを知らずにして、知っているということが結構あると私は思っています。

鹿 欧米では、ベルリンの壁が崩壊した90年以降、沢山の人や文化が知られるようになって、それが徐々に日本にも伝わってきて、これからということでしょうか。

交流電気方式他、数々の発明
で知られる科学者
ニコラ・テスラ

そうですね。少しずつ。そう、ノバク・ジョコヴィッチは、日本でも、テニスに詳しくない人でもご存じでしょう。

鹿 錦織さんが苦手としているジョコヴィッチですね。

そうそう。ジョコヴィッチと言えばセルビア人ですよ。彼は、世界一のテニスプレーヤーです。セルビアはいい選手を育てています。サッカーではストイコヴィッチもいたし、そういう何人か有名な人の名を上げれば、セルビアはこうした才能のある人たちを育てる能力がある国だと思うんじゃないですか。セルビアにはポテンシャルがあります。科学ではテスラやピューピン、芸術でいうとエミール・クストリッツァ監督で、彼はカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを唯一2度受賞しました。こういうことを知ると「面白いぞ、東ヨーロッパは!」と、皆さんも納得してくれるじゃないかと思います。

鹿 今回の旅は、まだまだ日本ではよく知られていない東ヨーロッパを先取りして観に行こうということですね。

はい、今発掘すべきだと思います。

鹿 本日は長い時間、ありがとうございました。

Profile
高橋ブランカ(作家、翻訳家、写真家、舞台女優)
1970年 旧ユーゴスラビア生まれ
1993年 ベオグラード大学日本語学科卒業
1995年 来日。1998年日本に帰化。
1998年-2009年 夫の勤務で在外生活(ベラルーシ、ドイツ、ロシア)
2009年から東京在住。

著書
「最初の37」(2008年、ロシアで出版)
「月の物語」(2015年、セルビアで出版)
「東京まで、セルビア」(2016年、東京で出版)
「クリミア発女性専用寝台列車」(2017年、東京で出版)

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投稿:首都圏発海外旅行担当