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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2014年08月03日

旅なかま7月・8月合併号 千葉千枝子の実践!テーマで巡る旅 Vol.2朋友の台湾へ 鉄道と温泉、味覚の旅

 

〔本稿は会員誌『旅なかま』2014年7月・8月合併号に掲載されたものです〕

千葉千枝子の実践!テーマで巡る旅 Vol.2朋友の台湾へ 鉄道と温泉、味覚の旅

大航海時代、欧州人が発見したおり、美しい島を意味する「フォルモサ!」と叫んだとされる台湾。緑深き陸地、高き山々に悠々たる河川や湖、全土にはいくつもの自然保護区があり、蝶の冬の飛来地としても知られています。
そんな台湾の人たちは、皆、心も温かいのを感じます。
東日本大震災で筆者は、岩手三陸に暮らす祖父や親族を失いました。あのときの、台湾からの支援や応援メッセージを、きっと生涯忘れることはないでしょう。かねてから朋友といわれた台湾の人たちの、優しい心に触れた瞬間でした。

昔懐かしい弁当売りや指さし確認
鉄道駅で感じるノスタルジー

台湾には、日本統治時代の名残が、いまだ色濃くみられます。鉄道や郵政、教育、下水道といったインフラや、農業の技術が海を渡り、今もそこここに息づいているからです。
台北駅から列車で小1時間。瑞芳駅で見たのは昔懐かしい、首から箱を下げた弁当売りの女性と、車掌の指さし確認でした。かつて省線が走った時代、台湾に鉄道を敷設した日本から、もたらされたものです。
瑞芳駅の、昭和を感じさせるレトロな駅舎が何とも心地よく、「ああ、こんな光景があったな」と、脳裏に蘇ることでしょう。観光地・九份への最寄駅で、ここからバスでノスタルジックな街へと向かうのです。
九份は、台湾銘茶のカフェや小さな雑貨店が、ところ狭しと並んでいます。階段が多いので歩きやすい靴で、ぶらぶらと気の向くままに観てまわりたいところです。

月台(ホーム)で弁当を売る女性。台湾では「便當」と綴られる 石造りの台湾鉄道・瑞芳駅

台湾は温泉天国
裸で入るなら家族風呂で

台湾は、九州の霧島火山帯が南伸していることから、温泉地が全土に点在しています。
温泉文化もまた、日本からもたらされたものですが、北回帰線が貫く亜熱帯の台湾には、湯につかって身体を温める習慣が、もともとありません。
そのため、水着を着用のうえ入浴するのがならわしでした。ですが今、台湾では和風旅館ブームに沸いています。裸で入ることができる家族風呂が併設された宿も増えていて、それぞれ趣があります。温泉宿にお泊りのときには、水着が必要かチェックしてからいくとよいでしょう。

台湾とのゆかりと農業
豊かで安全な農産品の数々

台湾茶芸のカフェでゆったりとした時間を過ごしたい

台湾の人たちに触れるとき、後藤新平や新渡戸稲造の名前が頻出します。いずれも私の出生地・岩手県に関係する偉人ですが、台湾での農業開発に多大な貢献をされたのが、当時の帝大・北海道大学や京都大学の方たちでした。児玉源太郎など歴代の総督の遺影を掲げ、見学公開がなされている台湾総統府(台北)は、実に見ごたえがあります。台湾総統府へ行くときは、できれば日本語ガイドをお願いするのがよいでしょう。その当時の秘話は、涙なくして聞くことができません。
かつて日本は、内地で工業を推し進める一方で、台湾を、農業の地として産業奨励しました。農業人材の育成をはかり開墾がなされ、今ある台北植物園も統治時代にできたものです。
農薬の使用に厳しい基準を設ける台湾の農産品には、高い評価の目が向けられています。日本国内の巷に売られる中国茶もまた、台湾産のものはお高いのをご存じでしょう。台湾茶の作法は実に興味深く、茶芸店では私もたくさんの道具を購入しました。一回目は香りを楽しみ、二回、三回と淹れるたびに微妙に異なる味わいを楽しみます。
南洋の果実もまた、日本ではなかなか手に入れることができない品種が多く、とても美味です。植物検疫があるため持ち帰ることはできず、それで、リヤカーの荷台に積まれた蓮霧(レンブ)を買って、部屋で食べるのが毎回の楽しみになりました。陽ざしをいっぱいに浴びた台湾の果実は、旅をしたものにだけ与えられる食の贅沢です。
また、台湾の人たちはマコモダケが大好きで、料理レパートリーも豊富。漢方の薬膳料理もおすすめです。小さいころから生ものを禁じられ育った人たちが、近ごろの寿司ブームで大転換。わさびを大量に入れるのが、台湾流の寿司の食べ方です。ご参考まで。

林檎のような色とみずみずしいサクサク感があるレンブ
プロフィール 千葉(ちば) 千枝子(ちえこ)観光ジャーナリスト 中央大学、横浜商科大学兼任講師。大学卒業後、銀行勤務を経て旅行会社に就職。96年有限会社千葉千枝子事務所設立。運輸・観光全般に関する執筆、講演活動を行い、TV・ラジオにも多数出演。国内自治体の観光審議委員やNPO法人の理事長も務める。著書に「観光ビジネスの新潮流」(学芸出版社)など多数

取材協力:台湾観光協会 画像提供:千葉千枝子

 

 

投稿:朝日インタラクティブ