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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年07月04日

《特集》琵琶湖逍遥

琵琶湖逍遥 悠久の歴史に育まれた母なる大湖


湖上に浮かぶ白鬚神社の鳥居

 

面積約670平方キロメートル、周囲約241キロメートル、
流入河川は一級河川だけで119、
その他大小合わせた総数460を
数える日本最大の湖は、
古より水上交通の要衝として時代を映してきた。
今も昔も人々の暮らしを支える
「命の水瓶」―琵琶湖を歴史と人との関わりから考察してみよう。

 

交通の要衝として栄え、時代にその姿を映す



近江八景「堅田落雁」で名高い浮御堂(滋賀県大津市)

 

地理的特徴と生物特異性


琵琶湖は400〜600万年前に形成された世界でも有数の古代湖である。地殻変動による変貌を繰り返し、約30〜40万年前にほぼ現在の形が出来上がったといわれている。

現在の琵琶湖大橋付近を境に北湖と南湖に分けられ、面積や水深、気候などの影響によって大きく異なる特徴を持つ。

流入河川の多さに比べ、自然流出河川は瀬田川のみ(他に人口水路として京都市に注ぐ琵琶湖疏水がある)であり、大阪湾に注ぐまでに宇治川、淀川と名を変え、近畿圏1400万人の暮らしを支える。琵琶湖はまさに命の水瓶と言えるだろう。

固有種も多く生息し、ビワコオオナマズやイワトコナマズ、ホンモロコなど、亜種を含めるとその数は61種に及ぶ。一般的に、湖の歴史は数千年から数万年とされる中、琵琶湖は実に数百万年もの間、他水系から隔離されてきたため、独自に進化したり、琵琶湖だけで生き残ったりした生物を多数育んできたと考えられている。人工放流で全国に生息するゲンゴロウブナも元々は琵琶湖の固有種であり、鮒寿司で知られるニゴロブナは固有亜種である。

一帯では古くから伝わる独特のエリ漁など漁業も盛んで、エリ網は冬の風物詩になっている。

 

交通の要衝として


琵琶湖は、縄文時代や弥生時代にはすでに交通路として利用され、古代より畿内の都や寺院へ物資を運ぶ交通の要衝であった。琵琶湖を「淡海乃海」と表現した万葉集には、藤原京を造営する際に、木材を琵琶湖から宇治川、木津川を通じて大和へ運んだと記されている。

湖底遺跡も多く、その年代が縄文時代から平安時代にわたることや、近年長浜沖で発見された江戸時代の集落跡からも、日本史上すべての時代で、人々が琵琶湖を重要な生活の場としていたことがうかがい知れよう。

安土桃山時代や江戸時代には、豊臣秀吉や彦根藩の保護の元、水運は隆盛を極めた。それは江戸時代中期、河村瑞賢によって西・東廻りの海上航路が開拓されるまで続いた。

 

観光琵琶湖



竹生島

海上航路の発達で次第に衰退した琵琶湖の水運だが、明治に入ると大津〜長浜の鉄道連絡船が活躍した。東海道本線の全通により、連絡船がその役目を終えた後は湖上遊覧が人気を集め、現在まで続く竹生島めぐりも設定された。現在では大津をはじめ、長浜、今津など主要港から遊覧船が行き交い、季節ごとに表情を変える琵琶湖を楽しめるが、その成り立ちや歴史を知ると、また違った新たな一面を見せてくれるかもしれない。

紅葉で有名な湖東三山や湖南三山、湖北に多い十一面観音、そして湖西には比叡山延暦寺など、琵琶湖をとりまく地域には国宝・重要文化財も多く、古くから人々の生活に文化や信仰が浸透していたことがうかがえる。

随筆家・白洲正子は近江を深く愛し、『近江山河沙』や『かくれ里』で琵琶湖や周辺地域のことを詳細に記している。彼女が近江に魅せられたのは、琵琶湖を中心とした近江の自然に宿る気配に惹きつけられたからではないかと、琵琶湖研究家の大沼芳幸氏は言う。自然の気配とは自然に宿る神とも言い換えられ、仏教神に取り込まれながらも、したたかに日本人の精神の中に生き続ける日本の神の姿ではないだろうか。

「かくれ里」を訪ね自然と共存する暮らしに接してみた時、そこには神を感じとることが出来るかもしれない。仏の姿を纏った十一面観音は、自然の神への畏怖や畏敬を込めた信仰の象徴として佇まれているのではないかとさえ思えてくる。


彦根城

 

チャーター船で訪ねる琵琶湖
~四島周遊と湖上講座

※沖の白石は船上からの展望となります。

かつての連絡船航路である大津~長浜をチャーター船でゆったりと、寄り道しながら遊覧します。淡水湖唯一の有人島である沖島や、竹生島、多景島にも上陸。船上では、琵琶湖を語らせたらこの人の右に出る人はいないと言われる琵琶湖研究の第一人者・大沼芳幸氏による湖上講座も開催。琵琶湖の歴史と近江の文化を知り尽くした氏ならではの解説で、分かりやすく学びます。

 

■大沼芳幸氏(おおぬま・よしゆき)
公益財団法人滋賀県文化財保護協会普及専門員。NPO法人歴史資源開発機構キュレーター。琵琶湖をめぐる文化史を考古・歴史・美術・民俗・漁業・環境など幅広い視点から研究し、普及活動を行っている。 
 
 

チャーター船「megumi」に
揺られながらの湖上講座

 

  関西発  

 

そのほか大沼芳幸氏同行コースはこちらより

 

  関西発  

 

取材・構成=朝日旅行 旅と文化研究会
写真提供:〔公社〕びわこビジターズビューロー
写真は全てイメージです。

 

「《特集》琵琶湖逍遥」は、2019年7月発行「総合パンフレット」に掲載しています。

パンフレットをご請求ください。(デジタルパンフレットもご覧いただけます)

◎首都圏版はこちらより

◎関西版はこちらより

投稿:大阪発国内旅行担当