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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年11月27日

≪特集≫今、東欧(中欧)の旅へ

 

Profile
越村 勲(こしむら いさお)

代替テキスト1953 年富山県生まれ。一橋大学、ザグレブ大学院卒。社会学博士。東京造形大学元副学長・名誉教授。主な著書に『東南欧農民運動史の研究』(多賀出版、1990)、『映画「アンダーグラウンド」を観ましたか』(彩流社、2004)、『クロアティアのアニメーション』(彩流社、2010)、また訳書ロクサンディチ『クロアティア・セルビア社会史断章』(彩流社、1999)、編訳カーザー『ハプスブルク軍政国境の社会史――自由農民にして兵士』(学術出版会、2013)など。現在『アドリア海の海賊ウスコク———境界の英雄』(仮称)を準備中

 

◆ 意外と身近な東欧
東欧というと、よく知られざる東欧と言われますが、音楽では充分に知られています。ショパン、ドヴォルザーク、リストは言うに及ばずコダーイ、バルトークも世界的に活躍しました。そういえば、ビール党が世話になっているピルスナー酵母はチェコのビール職人がアメリカに持っていったもの。酒の話で言うと、ポーランドのウオッカ、ズブロヴカは日本でも人気があります。他にも、ハンガリー以南の果実酒(アンズ、梨、プルーン)は男が一旦客人になったら一気飲みしなければなりません。アドリア海などの赤ワインは水で薄めないと血圧が上がる可能性があります。

 

そういえば東欧に海があることさえ知らない人もいますね。これは日本の外務省がソ連に近い旧社会主義諸国を東欧と呼んだことと無縁ではないでしょう。この東欧はいわば政治的な括りです。
近年はこれに対する反発で中欧という言い方がされます。一方歴史的な東欧とは、ロシア、ドイツ、オスマン・トルコといった大国に歴史を左右された国々を指します。ある経済学者は、工業ヨーロッパの西欧にたいして、東欧は農業ヨーロッパであると言いました。日本でもそうですが、工業地帯ができるとき、そこに食料を供給するための農業地帯が作られます。そのような農業ヨーロッパですが、民族舞踊や衣装を観れば自然とともに生きてきた人びとの文化が一目瞭然となります。

 

◆ かつてヨーロッパ文化の中心であった中欧・東欧
一方、近代以前は、むしろチェコなどがヨーロッパ文化の中心でした。神聖ローマ帝国という名は聞いたことがあるかもしれません。その首都がプラハだったのです。プラハの荘厳な街並み、金色の壁が黒くすすけた様はたゆたう時間の流れを感じさせます。
近代化で遅れた農業地域だが、背景に 中世の歴史と文化が見え隠れする、それが東欧です。ただ近代の歴史は東欧各国で微妙な差があります。社会勢力で見ていくと、チェコでは資本家たちが力を持っていましたし、ポーランドやハンガリーでは貴族勢力が、南の地域では農民が蜂起する伝統がある一方、官僚たちが近代国家を担ってきました。そのことも都市や郊外の文化を見れば分かるはずです。

 

◆ 東欧にもグローバル化の波が
最後に東欧の南、クロアチアの歴史と文化を凝縮した、ある芝居の話をします。
舞台は首都ザグレブの貴族の家。第二次大戦後共産党に近い女性兵士がこの家の一部で暮らし始めます。物語は第二次大戦後、1990年初めのユーゴスラヴィア分裂、2011年クロアチアのEU加盟の三つの時代を行きつ戻りつします。圧巻は、旧社会のいい面を残そうとする姉と、グローバル化の中で成功して財を成し、この家を個人で買い取ろうとする妹が大げんかするラストシーン。このシーンを見れば、昨今日本の家庭にも忍び寄るグローバル化の波に東欧の人びとがさらされていることが分るはずです。

知られざる東欧の歴史と文化を体験しながら、「かれら」「彼女ら」と同じ時代を生きていることを実感する、そんな旅に皆さんご一緒しませんか?

 

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投稿:WEB管理担当