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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年12月06日

担当者が選ぶコレだけは外せない名画20選!Part1

 

 

1.受胎告知 レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

~作品説明~

ルネサンス期のイタリア人芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが1472年から1475年ころに制作した油彩作品。そして事実上のデビュー作と言われている。大天使ガブリエルが聖母マリアのもとを訪れ、処女懐胎という奇跡でイエス・キリストを身ごもったことを告げる場面が描かれている。数ある『受胎告知』の中でレオナルドは圧倒的な表現力で細部の一つ一つを描きあげている。大天使ガブリエルは、右手の人差し指と中指を立ててピースサイン(Vサイン)のような形をつくり、聖母マリアへの祝福の意を表し、左手では聖母マリアの純潔の象徴である白百合を捧げている。聖母マリアは、純潔や信仰を表す青色のローブ、天の愛情を表す赤い色の衣服をまとい、右手は聖書のページを押さえ、左手は驚きを表すかのようなしぐさを見せているものの気品漂う表情には落ち着きが見られ、既に神の意向に恭順の姿勢を見せているようにも見える。

自然を厳しく観察したレオナルド・ダ・ヴィンチが、独自に生み出した技法が空気遠近法。遠くのものは、青味をおび霞がかったように描くというものである。「受胎告知」の遠近法の線が一点に集中する場所は高い山。山はこの世で何よりも高く神聖な存在とされ、イエスを象徴するといわれている。
聖母マリアの右手の二の腕が少し長く見える。これはマリアの右下から見ることを前提として作られているためと言われており、聖バルトロメオ修道院の壁に飾られている際、『受胎告知』の右下にひざまつき、そこから祈りの対象として眺め見ることを前提としている。これにより、レオナルド・ダ・ヴィンチが人間の視覚や視点を深く洞察したことがわかる。


○作者:レオナルド・ダ・ヴィン

○所蔵:ウフィッツィ美術館イタリア -フィレンツェ-)


 

 

2.ラス・メニーナス ディエゴ・ベラスケス

 

~作品説明~

『ラス・メニーナス』(スペイン語で「女官たち」の意)は、1656年にバロックの巨匠であるスペイン画家ディエゴ・ベラスケスにより制作された油彩画。世界3大名画のひと つとされている。

1666年の蔵品目録に『家族の絵』『王家の一家』の題で記録があり、宮廷の待女たちを指す『ラス・メニーナス』という作品名は19世紀に入ってから付けられたものである。
『ラス・メニーナス』の舞台は、フェリペ4世のマドリード王宮の一室である。人物像のうち、幾人かはカンバスの中から鑑賞者の側に向かって注意を向け、残りの幾人かが互 いに交流している。幼いマルガリータ王女を中心に侍女たちが取り巻き、右手には嬢人や犬の背中に足をかけている道化師、左手には大きなカンバスを前にベラスケス本人が描かれている。ベラスケスの視線は、絵の中の空間を超えて、絵の鑑賞者自身の立ち位置の方向に向けられている。背景には鏡がかかっていて、フェリペ4世夫妻の上半身が映っている。フェリペ4世夫妻は、絵の外、つまり鑑賞者の立ち位置と同じ場所に立っているように見え、国王夫妻の視線がとらえた情景と重なり、鑑賞者が画中の登場人物の一人と化す。絵画世界と現実世界が混淆する不思議な感覚こそが「絵画の神学」とまで讃えられ、絵画芸術の一つの到達点と見られている至宝たる由縁。現代アートと変わるところがない驚くべき先進性である。

また画面の右側と正面から差し込む光によって最も明るく照らし出されているのは中央にいるマルガリータ王女。王女を照らす光より少し柔らかい光によって侍女や慰め者たち、更に薄暗い中に付き人やべラスケスといったように、この陰影によって、王女の姿を際立たせるだけでなく、宮廷の一室の広さが奥行きを持って表現されるという巧みな遠近法を駆使している。


○作者:ディエゴ・ベラスケス

○所蔵:プラド美術館(スペイン -マドリード-)


 

3.夜警 レンブラント・ファン・レイン

 

 

~作品説明~

1642年にレンブラント・ファン・レインによって描かれたオランダ絵画黄金期の傑作、『夜警』。フランス・バニング・コックを隊長とする市警備団の中隊を描いた集団肖像画であり、見上げるほどの大きいキャンバスはまるで同じ世界に入ったような気持ちにさせる程の迫力である。
この作品のタイトル『夜警』は18世紀以降に付けられたもので、画面を保護するために塗られていたニスが時間が経ち、黒ずみ夜の光景に見えたことから『夜警』となったといわれている。
元来、集団肖像画は全員を平等に描くべきものとされてきた。理由は描かれる人たちは一人一人が同じ料金を支払っていたため、誰かを強調して描くことはタブーとされていた。しかし、レンブラントは3人に焦点を当て描くことにより常軌を逸した集団肖像画を描いた。それは革命的なことだったと評価され三大名画のひとつに数えられている。
ではなぜ3人に焦点が当てられているのか。まず中心にいるのは黒の服を着たフランス・バニング・コック隊長と白の服を着たライテンブルフ副官。2人に焦点を当てることにより、作品に奥行きと臨場感が感じられ、まるで舞台のドラマを見ているかのような印象を与える。そして気になるのは、中央左奥にいるスポットライトを浴びたドレスの少女。彼女は火縄銃組合そのものを表しているのではないかと言われている。彼女の帯にぶら下がった鶏の爪は火縄銃手の象徴。死んだ鶏は打ち倒された敵の象徴で黄色は勝利の色といわれている。
しかし、肖像画の依頼主は火縄銃組合、当然このような少女がいるわけはないはず。つまり実在のしない人物なのです。なぜ少女が描かれたのかは未だ解明されておらず、この正体を明かそうと長年討論され続けています。
レンブラントの凄さは光にある。「光の画家」ともいわれ、キアロスクーロ(明暗法)という技法を用いてドラマチックな表情を与えた。更にレンブラントは強い日光が顔の正面と斜め、それぞれから45°の位置から差し込み影を作ることで、群像の中から3人の主要人物、すなわち中央の隊長と副隊長、そして中央左奥の少女を浮かび上がらせている。まるで、演劇のドラマティックな一場面のように描いている。この演出は「レンブラントライト」と言われ、演劇などでは頻繁に用いられている。
これほど躍動感のある集団肖像画を描いた画家はレンブラント以外いないだろう。


○作者:レンブラント・ファン・レイン

○所蔵:アムステルダム国立美術館(オランダ –アムステルダム-


 

4.ヴィーナスの誕生 サンドロ・ボッティチェリ

 

 

~作品説明~

初期ルネサンスを代表するイタリア人画家サンドロ・ボッティチェリが1485年頃、メディチ家の注文により作成したのがルネサンス期のフィレンツェ共和国を代表する名作『ヴィーナスの誕生』。
この時代には珍しい、乳化作用を持つ物質(卵の殻が良いといわれている)を固着材として利用する絵具を使ったテンペラという絵画技法で描かれている。
舞台は、海の泡から生まれた裸のヴィーナスが巨大なホタテ貝に乗り、バラの花を降り注ぐ花の女神フローラと抱き合う西風の神ゼフィロス(樹々に花を咲かせ、実りをもたらす風。春を告げる風)に吹かれて上陸し、そこには時と季節の女神であるニンフ(妖精)のひとりホーラがキプロス島に立ち、マントを広げてヴィーナスをむかえようとしているシーンである。
主役のヴィーナスをよく見てみると、片足に重心をかけ体をS字にくねらせたポーズは、女性の恥じらいと曲線美による肢体の美しさを表現している。このポーズは一般的に『天上のヴィーナス』を表現したものとされている。繊細で精妙な線による感情表出をみせる作風のボッティチェリ。ヴィーナスの輪郭線や髪の毛をはっきりとした線描で表情豊かかつ緻密に表現されているが、スタイルは首が長かったり、肩が極端に落ちていたり、左腕が不自然で、バランスがいいとは到底言えない。また人物たちの影は描かれておらず、背景の木の大きさや人物の大きさから分かるように平面的で奥行きはがあまり感じれない。ボッティチェリは、デッサンの正確さや現実的なリアルさを表現するよりもファンタジーの世界、神々の国の神秘性を強調しているといわれている。
作品全体を見たときに、西風の神ゼフィロスの吹く風によりなびくヴィーナスのブロンドの髪や、浮いてるように見えるフローラの降り注ぐ花、マントを持って駆け寄るホーラの瞬間を切り取っている様子により、躍動感が生まれ、風の力で揺られて右へ軽やかに流れているように見える。
このような一瞬を切り取る表現力や細かいところのアンバランスにもかかわらず、その美しさで世界中の人を魅了する絵画。『ヴィーナスの誕生]は主題・表現ともに「古代ギリシア・ローマの再生」といえる、イタリア・ルネッサンスを象徴する記念碑的作品としてとても名高く知られている。

 


○作者:サンドロ・ボッティチェリ

○所蔵:ウフィッツィ美術館イタリア -フィレンツェ-)


 

5.農民の婚宴 ピーテル・ブリューゲル

 

 

~作品説明~

『農民の婚宴』は、ピーテル・ブリューゲルの最晩年である1567年頃に描かれた作品である。ブリューゲルが主に活動していた当時のヨーロッパの中でも指折りの大都会、アントウェルペン(現:ベルギー)では、農民の生き方を再評価する風潮があり、真に人間らしい暮らしである農民たちの日々の生活や、縁日、婚礼にてはめをはずして楽しむ姿を描いた作品を数多く残している。その中の「農民の踊り」という作品と制作時期が重なることや、大きさもほぼ同じであることから一対の作品だったのではないかといわれている。

舞台は農村の宿屋の中で開かれている結婚式を描いている。宿の真ん中に長いテーブルと長いすが用意され、そこに新婦の家族や親せき約20名ほどが招待されている。他の村人たちもおすそ分けにあずかろうとして、宿に押しかけてきて、入り口付近で押し合いへし合いの騒ぎとなっている。中央の奥、緑色の天幕の下に座り、喜ばしく愉快に進行する婚宴の主役のひとりである花嫁の姿が特徴的。その他にも酒を注ぐ男、パンを膝に乗せて、お皿に残ったものを指でなめている子供。テーブルの傍らでフランドル・バグパイプを演奏している2人の男性と、その音楽に合わせるかのように食べ物の皿を運んでいる二人の男性。(この食べ物は飴色の方を「ブライ」というプディング、白い方はミルク粥などといわれている)さらに食べ物を運んでいる板に注目すると左下に金具が見え、どこかのドアが引き剥がされ、使われていることがわかる。このように貧しい中でも、おめでたい婚宴を楽しむ人々が詳細に描かれている。しかし、婚宴にも関わらず、新郎の姿が見当たらない。一説によると当時のフランドル地方は、花婿は婚宴に参加しないという風習があるために描かれていないなどといわれているが、様々な説があり、昔から現在まで永遠に論議の対象となっている。

ブリューゲルは農民の生活だけを描くだけでなく、寓意や、教訓を加えることにより、道徳感覚(道徳的戒め)を教え諭しているのではないかといわれている。
『農民の婚宴』の中では画面左下で指をしゃぶっている子供は、伝統的に空腹を示しているといわれ、皿をなめるように料理に食らいついている客人は、飽食、過食を戒めるものだとされている。
ブリューゲルは実物のモデルを使った一連の素描を描くことにより、農民、兵士、商人などのみごとな線と力強い線、ボリューム表現の面で一人ひとり個性的な相貌をもつ人間として表わされ、これまでにない説得力があり、ブリューゲルが農民生活を賛美して描いていることが分かる作品。

 


○作者:ピーテル・ブリューゲル

○所蔵:ウィーン美術史美術館(オーストリア -ウィーン-)


 

6.アダムの創造 ミケランジェロ・ブオナローティ

 

 

『アダムの創造』は、ヨーロッパ美術史のルネサンス期の巨匠ミケランジェロが、独力で描き上げたヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画「天地創造」の中で最も有名な部分である。その高さは、頭上21mにも及び、間近で見ることができない。また、フレスコ画という(壁に新鮮で生乾きの状態の漆喰を塗り、それが乾かない間に水で溶いた天然の顔料で描く)技法により描かれている。

ミケランジェロは、『ダビデ像』や『ピエタ』を始めとする数々の作品により、彫刻家という印象が強く、絵画を苦手分野としていたが、ローマ法王ユリウス2世の勅令により苦手である絵画を描くこととなった。その背景には、友人である建築家ドナート・ブラマンテという人物が絡んでいたとされる。法王ユリウス2世に気に入られていたミケランジェロ。それに嫉妬したドナートはミケランジェロが苦手分野であった絵画を描かせ、失敗することで汚名を着せようと目論んだ。ミケランジェロははじめ、自分の本職は画家ではなく彫刻家であると自認していたので、この依頼を頑なに拒んだ。しかし、ミケランジェロを高く評価していた法王ユリウス2世は、ドナートの陰謀とは知らず何度も依頼し、ミケランジェロは途中投げ出しながらもなんとか『アダムの創造』を描き終え、ドナートの陰謀を見事に打ち破る結果となった。

この作品は、『創世記(旧約聖書)』の一節である、生命の与え手である神が最初の人類であるアダムに生命を吹き込もうとする場面を描いている。指先からアダムに生命を授けるために神の右腕は伸ばされ、神の似姿で創られたアダムの左腕は、神と対象になるように伸ばされている。神の指先とアダムの指先をよくみてみると、僅かに触れ合っておらず、神がアダムに生命を吹き込もうとする、まさにその一瞬を切り取ったように描かれている。

『アダムの創造』には、解剖学的知識が散りばめられているのではないかと言われている。ミケランジェロは、彫刻家で、解剖学の研究していたと言われていて、神の周囲の人物とその後ろに描かれている布が、人間の脳の解剖図ではないかとされる。他にも、神のまわりに浮かぶ赤い布は子宮を意味していて、下部に垂れ下がる緑の帯は切断されたばかりのへその緒だとする説など、現在でも解明されておらず、様々な議論が飛び交っている。

 


○作者:ミケランジェロ・ブオナローティ

○所蔵:システィーナ礼拝堂(ヴァチカン市国)


 

7.真珠の耳飾りの少女 ヨハネス・フェルメール

 

~作品説明~

オランダ人画家ヨハネス・フェルメールの代表的な作品のひとつで、最も人気のある油彩画『真珠の耳飾りの少女』。1665年~1666年に制作されたとされ、現在は、オランダのマウリッツハイス美術館に所蔵されている。

黒色で統一される背景に鮮明に浮かび上がる少女が、ふと振り向いた瞬間をとらえたかのような構図。輝く瞳や、耳に飾られた真珠は光り輝き、若々しく、艶感のある少し開いた唇からは微笑んでいるようにも、また鑑賞者に何かを語りだしそうにも見える。その微妙な表情が見る者に極めて強烈な印象を与え、想像力を刺激される。この口元の微笑みや上品な佇まいから、「北のモナ・リザ」「オランダのモナ・リザ」と称賛される。

印象的な青いターバン。フェルメールの絵に見られる鮮やかな青は、当時純金と同等の価値があったラピスラズリをふんだんにに使っており、別名「フェルメール・ブルー」と呼ばれる。鮮やかでありながら、上品な調和を見せる青色と黄色は、お互いを引き立てる補色関係にあり、黒い背景に際立って目立つ青色と黄色による鮮やかな色彩のコントラストはまさに宝石の輝きを放つ絵画である。

描かれるモデルはよく議論されており、様々な説がある。有力な説として、これは肖像画ではなく、想像上の人物の顔を描いた”トローニー”といわれる独自の様式ではないかと言われている。その他にもフェルメールの娘ではないかなどとも言われている。

また絵画には「IVMeer」とサインがあるが、日付は記されておらず、注文を受けて描かれたのか、誰から注文を受けたのかという事も未だ解明されていない。

世界的に有名な絵画であるにもかかわらず、大変ミステリアスな作品。「真珠の耳飾りの少女」を知れば知るほど、なぞが深まっていくというのが、この作品の最大の魅力だといえるだろう。

 


○作者:ヨハネス・フェルメール

○所蔵:マウリッツハイス美術館(オランダ -ハーグ-)


 

8.夜のカフェテラス フィンセント・ファン・ゴッホ

 

 

~作品説明~

『夜のカフェテラス』は、1888年にオランダのポスト印象派を代表する画家フィンセント・ファン・ゴッホによって制作された油彩作品。大きさは81.0 cm×65.5 cm。現在はクレラー・ミュラー美術館に所蔵されている。

舞台は、南仏アルル旧市街の中央にあるプラス・デュ・フォルム広場に面する、比較的裕福な階級層向けのカフェテラスの情景である。1891年に初めて展示されたときのタイトルは、「夜のコーヒーハウス」であった。ゴッホの作品の中に夜空を濃い青色で描いたものがいくつかあるが、ゴッホは夜空を黒色を使わずに青色を使って描いたのはこの絵が初めてだった。
モデルとなったカフェは「Le Cafe La Nuit(別名:カフェ・ヴァン・ゴッホ)」という名で現存しており、ゴッホとゆかりのある観光地として有名になっている。この当時の風景は今でも変わらず残っており、観光者はゴッホの視点を楽しむことができる。アルルにはここ以外にも「黄色い家」をはじめ、ゴッホとゆかりのある場所がいくつかあるので、訪れた際はぜひ立ち寄ってみることをおすすめしたい。

画面左側に当時の文明の発展を象徴するガス灯(人工灯)の黄色の光に照らされるカフェが煌びやかに描写され、その文明の進化と対比するかのような自然の象徴でもある夜空を、黄色と補色関係にある青色を用いて描き上げた。また画面右側の光が灯っていない建物に沿った通路は暗い色で表現されており、その3色の交わる点を絵の中央に配置することで、絵に安定感が生まれる。

この絵の特徴でもある青で描かれた夜空には独特な表現の星々が描かれている。これらの星の事をゴッホは夜空に咲く「天国の花」として描いたと語っている。

夜空と併せて特徴的なのが、波打つような石畳である。石畳の隆起にカフェのガス灯の光が当たって、明るい部分と影の部分ができている。一見単純そうに見えるが、石畳の風合いや夜の光と影のコントラストを波打つような石畳として表現している。これはゴッホ独特の表現でありこの絵の見所である。


○作者:フィンセント・ファン・ゴッホ

○所蔵:クレラー・ミュラー美術館(オランダ -エーデ-)


 

9.愛の勝利 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

 

 

~作品説明~

描かれた当時より名画として名を馳せた『愛の勝利は』バロック期のイタリア人画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョによって描かれた最大の傑作のひとつである。「勝ち誇るアモル」や、「アモルの勝利」などと呼ばれることもある。

カラヴァッジョはこの絵画を、1601年から1603年にかけて、ローマでもっとも裕福な人物の一人、ヴィンチェンツォ・ジュスティニアーニ侯に依頼され描かれた。

カラヴァッジョは初期の頃、静物画や風俗画を描き、その後、祭壇画も手掛けるようになった。その卓越した表現技術により、教会や貴族から注文がたくさん入るようになる。次第に教会のために製作することに情熱を傾け、後半生は宗教画のみを描いた。そのためこの作品は個人的なパトロンのために製作された最後の世俗的な作品であったとされる。

この作品は、俗世間を軽蔑し、勝ち誇る笑みを浮かべるアモル(愛の神)が描かれている。辺りに散らかっているものは、バイオリン、リュート、楽譜、鎧、直角定規、コンパス、ペン、王冠などが描かれている。直接的にはジウスティニアーニ家の偉業の暗示であったといわれているが、それらは芸術や権力、人間の快楽や知識など様々な俗世のものを象徴しており、それらを踏みつけるその姿は“愛はすべてに打ち勝つ”というテーマを象徴しているといわれている。

カラヴァッジョのアモルの描き方は、きわめて強いリアリズムという点で独特である。個性的で、魅惑的ではあるが少しも美しくなく、歯も笑みもゆがんでいる。徹底した写実と強い明暗法によるドラマチックな表現は、後の画家に大きな影響を与えた。カラヴァッジョ独自の極めて高度な表現手法は、本作の意味を示すものとして最も効果的な表現であると高く評価された。


○作者:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

○所蔵:ベルリン絵画館 (ドイツ -ベルリン-)


 

10.オルガス伯の埋葬 エル・グレコ

 

 

~作品説明~

世界三大絵画の一つと言われる『オルガス伯爵の埋葬』は、荒れ果てていたサント・トメ教会の再建に尽力し、1312年に没した信心深いオルガス伯爵の埋葬の際、聖ステファノと聖アウグスティヌスの二聖人が舞い降りて自ら埋葬したとの伝説に基づいた絵画。

その芸術性の高さからエル・グレコの代表作、また最高傑作として広く知られており、縦幅4メートル超、横幅3メートルの巨大なキャンバスに描かれている。

この絵は、イエスに導かれ天上へと昇華してゆくオルガス伯の魂の昇天と、
著名な人物に囲まれながら執り行われる地上の葬儀の情景という2場面が明確に上下分割されて同時に構成されている。

上部の天上界の登場人物たちの中でも際立っているのがキリスト、聖母マリア、洗礼者聖ヨハネであるが、キリストを頂点に三角形を描くように配置されている。
これはビザンティン様式のイコンに見られる伝統的な構図と同じ。その他にも上部には聖ペテロ、聖トマス、モーゼなどの聖人も描かれているとされている。

下部の地上に集うのは、サント・トメ教会の司祭で、絵を依頼したアンドレス・ヌニェスをはじめ、当時のトレドの知識人や有力者にたち。オルガス伯の周囲にはエル・グレコ自身の姿や、息子であるホルヘ・マヌエルの姿も描かれている。この絵には集団肖像画の意味もあり、これはエル・グレコがまれに見る非常に優れた肖像画家という評価をもたらしている絵画でもある。

キャンバスに所狭しと描かれた多くの人物像の他には、地平線も空も背景も存在しない、エル・グレコ独特の表現方法であり、その生き生きとした描写が評判になり、エル・グレコの名声を決定づけた。エル・グレコが独自の作風で描いた最初の作品と見なされている。

21世紀に入っても、この作品を見るために世界中から多くの人々がサント・トメ教会を訪れている。


○作者:ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ

○所蔵:サント・トメ教会(スペイン -トレド-)


 

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