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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年10月25日

ボルゲーゼ美術館貸切見学&ラファエロ展 2019年9月17日 発表記念特別講演会レポート

 


 

9月17日に東京・浜離宮朝日ホールにおいて、【ボルゲーゼ美術館貸切見学&ラファエロ展見学付ツアー】の発表を記念した特別講演会を開催いたしました。第1部に姜尚中氏、第2部に塚本博氏を招いて行なったこの講演会は発表後すぐに満席となり、あいにく予約をお断りした方も大勢いらっしゃいました。皆様の期待も高まる中、当日は天候にも恵まれ、おかげさまで約400名様にご来場をいただき盛況を博しました。

 

 

絵画をみるのではなく、絵画にみられる

 

第1部の姜尚中氏には、新発表の姜氏同行ツアーにまつわるロシアのお話のあと、『絵画と私 デューラーとベラスケス』と題して、姜氏が“絵の中の空気が違う”と評する2人の作家についてお話いただきました。姜氏はご自身が29歳のとき、ドイツのアルテ・ピナコテークにて、デューラーが遺言として描いた自画像に出会います。自画像の中にいる28歳のデューラーの、強く訴えかけてくるような潤んだ左目と対面した姜氏は、絵画を見るのではなく、絵画に見られているような体験をしました。 「この1 枚と思える、運命的な絵画に出会ったときは、その絵画が自分と出会うために、沈黙の中何百年も待っていてくれたという思い込みをしてもよい」という姜氏の言葉がとても印象的でした。

また、農民の酒宴に溶け込む神『バッカスの勝利』(スペイン・プラド美術館蔵)や、戦争の勝者と敗者の和解の様子を描いた『ブレダの開城』(同美術館蔵)など、宮廷画家でありながら描く人物・対象に差をつけず、様々な立場にいる人間の内面を表す絵画を多数描いたベラスケスは、“存在するすべてのものには、それぞれに価値・個性・尊厳がある”ということを、400年も前に芸術を通じて示してくれているともお話いただきました。

 

 

巨匠への尊敬、ラファエロとカラヴァッジョの変遷

 

さて、第2部の塚本博氏には、『ボルゲーゼの名画 ラファエロとカラヴァッジョ』と題して、ボルゲーゼ美術館でお楽しみいただける作品の解説などをしていただきました。

ラファエロの所蔵作品の1つ『一角獣を抱く貴婦人』は、人物を斜め正面から捉える“モナリザ的角度”を踏襲していながらも、色彩・表情・精巧な装飾品などにラファエロならではの業を感じます。一方同じく所蔵品である『キリストの埋葬』は、ミケランジェロへの尊敬心を抱きながらテーマや構図を変えていったと読み取れる作品です。ルネサンス期の巨匠たちは、互いの作品をみて刺激を受け、それを自身の作品に反映させていきました。ラファエロのこの2つの作品からも、巨匠たちのリスペクトと競い合いがよくわかります。また、ボルゲーゼ美術館はカラヴァッジョの作品を6作品所蔵しています。最も初期の、絵が売れず病気に苦しむ自身の姿を酒の神に重ねて描いた『病めるバッカス』や、ローマで自身が犯した罪の赦しをローマ教皇に請うべく、英雄ダビデでなく敵将軍ゴリアテに自画像を重ねた『ゴリアテの首を持つダビデ』など、初期から後期までカラヴァッジョの作品を幅広くお楽しみいただけます。

名画だけではなく、優れた彫刻の数々もご紹介いただきました。特にベルニーニは充実のコレクションを誇ります。バロッチの絵画の一部分を抜き出して新たに彫刻を作るようにボルゲーゼ卿がベルニーニに注文した『アンキセスを背負うアイネイアス』をはじめ、『ダビデ』『アポロンとダフネ』など珠玉の作品の数々からはバロック
芸術ならではの躍動感溢れる美を感じられます。

絵画・彫刻とたくさんの作品の解説を丁寧にしていただき、益々来年のボルゲーゼ美術館貸切見学への期待がふくらみました。

 

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投稿:WEB管理担当