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機関誌「旅なかま」掲載記事など最新のトレンドがわかるブログ

旅のアクセント

2019年05月24日

《特集》日本の祭にこの人あり

日本の祭にこの人あり



赤川花火大会 フィナーレーには、12000発打ち上げる大迫力の花火大会

 

櫓の上から名調子を届けて30年!―小国輝也さん
花火を追い求めて世界を股にかける―ハナビスト・冴木一馬さん

秋田県下最大のイベント・竿燈まつりで、地元衆と観衆を巻き込んで熱く盛り上げる名物男と、
夜空を染める花火を追い求め記録し続ける花火の達人―ハナビストに聞く祭の楽しみ方とその極意。

 

みちのくの夏の風物詩



竿燈大通りで8月3日から6日に実施される「夜竿燈」(秋田県秋田市)

みちのくの夏を彩る東北夏祭り。とりわけ「青森ねぶた祭」、「秋田竿燈まつり」、「山形花笠まつり」、そして「仙台七夕まつり」は東北四大祭りとして全国的に知られ、毎年多くの観光客が集まる、一年のうちで最大のイベントとなっている。東北の夏といえば祭、そして日本の祭といえば東北が連想されるといっても過言ではないほど、両者は一体化している。それぞれが地元にしっかりと根付き、誇りと愛着を持って舞い踊る地元の人々に加えて、全国から集まった多くの観衆で夏の夜は大いに盛り上がる。そんな東北夏祭りの中でも、今回は秋田の竿燈まつりに焦点をあててみよう。竿燈まつりには絶対に欠かせない重要人物がいると聞き、現地を訪ねてみた。


竿燈や囃子の技術を保存させるために戦後から開催されている竿燈妙技会(別名・昼竿燈)。型の美しさなどを競う


妙技会では囃子方の大会も実施される

 

竿燈まつりに欠かせない男


主会場である竿燈大通りの櫓の上から響き渡る名調子。30年にわたって連日の司会進行役を務めるのが、地元秋田で老舗の菓子店を経営する小国輝也さんである。菓子店と旅館を経営する家系に生まれた小国さんは、大学を卒業して数年間は神戸の旅行会社に勤務した。その後、秋田に戻って老舗の暖簾を引き継ぎ社長に就任し、以降、竿燈まつりに深く関わっていくようになる。

「やはり子どもの頃から慣れ親しんでいるというか、秋田の夏と言えば竿燈まつりというのが元々身にしみついているんでしょうね」

笑顔を絶やさず雄弁に語る口調にはその人柄が滲み出ている。決して人を飽きさせない話の展開と巧みな話術で、いつしか聞く人すべてが小国氏の言葉の世界に引き込まれていく。

熱く盛り上がる秋田の夜


竿燈まつりは、夏の病魔や邪気を払う〝ねぶり流し行事〞として、18世紀中頃、江戸時代の宝暦年間にはその原型が出来ていたという。寛政元年(1 7 89年)にはすでに秋田独自の風俗として伝えられており、構えた長い竿に、多くの提灯を灯して飾り練り歩く様子が文献に記されている。現在では46個の提灯をつけた12 mもの大若と呼ばれる竿燈をはじめ、中若(9m)、小若(7m)、幼若(5m)といった大小さまざま279本もの竿燈を、差し手と呼ばれる演者が手の平から額や肩、腰に乗せて巧みに操る職人技が見どころとなっている。

「櫓の上から声を張り上げて、ドッコイショー、ドッコイショー、とやるわけですよ。それに竿燈を乗せる差し手とお客さんも一体となって盛り上がってくれる。一番のやりがいを感じる部分です」

地元と観衆を繋ぐ小国さんの名調子。これもまた職人技と言えるだろう。この夏もまた、小国さんなくしては秋田の夏は始まらないのだ。

 

小国輝也さん 特別講演会付ツアー

竿燈まつりの本番直前に、小国さんによる特別講演会をご用意しました。
ご本人による祭の解説はもちろん、祭にかける情熱や地元秋田への思いを熱く語っていただきます。竿燈まつりを深く知ることで祭見物がより楽しめることでしょう。本番では櫓に近い観覧席から、小国さんの名調子とパフォーマンスとともに、熱く盛り上がる秋田の夜を存分にお楽しみください。

 

 

  関西発  

 

 

報道写真から花火撮影へ


ハナビストとは造語だが、単に花火鑑賞や花火写真を撮る写真家の肩書きでは片付けられないほど奥深いものだった。

穏やかに笑みを浮かべながら、静かに語り出した冴木一馬さんは、元々は報道カメラマンとして紛争や事故現場を取材で飛び回っていた。紛争地域では九死に一生を得た経験もあったという。悲惨な現場からは平和の尊さを嫌というほど味わった。同時に自分ではどうすることも出来ないもどかしさに悩んでいたという。そんな時、たまたま花火撮影の依頼があり足を運んだのが日本でも有数の花火だった。それまで花火といえば幼少の頃にお祭りで上がる花火を見物した程度だったと笑うが、悲惨な現場を見続けてきた冴木さんが夜空に咲く大輪の花火を目にした時、その音の迫力と鮮やかな光に一瞬で心を奪われたという。

「それは感動というより癒しに近い感情でした。それまで火薬は危険で人を傷つけるものという認識しかありませんでしたが、同じ火薬を使いながらも、人々は花火を見て笑っていた。そして愉しんでいたんです」

以来、花火は平和の象徴と考えるようになった冴木さんは、花火を深く知りたいという思いから、その歴史や文化を研究し、ついには花火師の資格まで取得した。写真家として世界中を飛び回り、記録し続けるだけでなく、先々で職人を訪ねて情報を収集し、花火を取り巻く環境や民俗学的な見地からも花火の研究を深めている。

「花火は純粋に愉しむものですが、花火が愉しめる平和な環境についても少しだけ考えてみてもらいたいです」

花火に深く関わることになったきっかけを静かに話す冴木さんだったが、芸術としての花火、エンターテイメントとしての花火の愉しみ方も決して忘れていない。現在では花火大会の演出を手がけたり、講演会や花火コンテストの審査員、テレビ中継の解説を務めたりするなど、業界ではすっかり有名人だ。シーズンには東奔西走し、花火の魅力を伝える多忙な日々が続く。


赤川花火大会(山形県鶴岡市)の様子(冴木一馬氏撮影)

 

ハナビストが教える花火をより楽しむ秘訣


花火の種類を知ること
四方八方に広がる「割物」、丸く開く「菊」、ハート型などの「型物」のほか、「牡丹」や「ポカ物」など、花火の種類と名前を知るだけでも見る楽しみは倍増する。プログラムに記載されていることが多いので、出来れば事前に入手したい。

風上から見る
花火は煙の被らない風上側から見るのがベスト。但し観覧席の都合や見物場所の有無など、制限される場合も多い。見上げる角度は60度花火は近すぎてもダメ、遠すぎてもダメ。60度くらいで見上げるのが最も美しく見
る秘訣。

季節は冬がベスト
一般的には夏の風物詩とされる花火だが、最近では夏以外に開催される花火も多い。特に冬は空気が澄んでいるため、夏とは比較にならないくらい美しい花火が見られる。

 

冴木一馬さんの特別講演会付ツアー

山形県鶴岡市で開催される赤川花火大会と、新潟県小千谷市片貝町で400年の伝統を誇る「片貝まつり」で、ハナビスト・冴木一馬さんによる講演会付のツアーをご用意しました。花火の見どころや楽しむ方法をレクチャーします。

 

 

  関西発  

 

取材・構成=朝日旅行 旅と文化研究会
写真提供=「花火collection」鶴岡市観光連盟、秋田市竿燈まつり実行委員会
写真は全てイメージです。

 

そのほか祭の旅はこちらより♪

 

  関西発  

 

「《特集》日本の祭にこの人あり」は、2019年5月発行「総合パンフレット」に掲載しています。

パンフレットをご請求ください。(デジタルパンフレットもご覧いただけます)

◎首都圏版はこちらより

◎関西版はこちらより

投稿:大阪発国内旅行担当